この作品は執筆を終了しています。
空を繋いで
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- 1 : 2014/06/18(水) 14:29:49 :
- こんにちは。執筆を始めさせていただきます。
ここ数日の間に、名作をたくさん読ませていただいて
数珠繋ぎも書いてみたい!!!と思い立ち、スレッドを立てました。
まだまだ未熟な出来ですが、少しずつ成長していけたらと思います。
* 104期生が訓練兵時代のお話
* エロ&グロ無しのシリアス路線
* 前半は、少々ミステリーテイストにしてみる予定
…以上の条件でも良いという方は、どうぞ、よろしくお願いします
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- 2 : 2014/06/18(水) 14:50:03 :
- かねてからの旧友、アルミン、ミカサとの昼食を終えたエレンは、思わず、ふう、とため息をついた。
その様子に、アルミンは訳知り顔でエレンを見、ミカサはすぐさまエレンの顔をのぞきこんだ。
「…どうしたの、エレン。疲れてるの?」
ミカサの問いに、エレンはうっとうしいと言いたげに顔を歪め
「…何でもねぇよ。」
なおも問いつめようとするミカサをなだめ、アルミンは早口でまくし立てる。
「午後からの訓練に備えて、少し部屋で休もうか、エレン。」
アルミンから送られる視線の合図に気付いたエレンは、ぎこちなくではあるが
「…あ、ああ。そうだな。」
と応じる。
当然納得のいかない様子のミカサの手を引き、アルミンはエレンと共に食堂をあとにする。
「…ごめん。また後で事情を話すから…」
アルミンの言葉に、ミカサは
「…うん。じゃあ、また後で。」
と言い残し、自室へと戻っていった。
アルミンは、素早く周りに人がいないか確かめると、静かにエレンに問う。
「…また、来てたの?」
エレンは、こくりとうなずいた。
「ああ。今朝もあった。…今日でもう…5日になるな…」
この5日間、“ソレ”は毎晩エレンのもとに届いていた。
アルミンは、思案するように目を伏せた。
「…とにかく、部屋に戻ろう。」
2人は自室へと歩を進めた。
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- 3 : 2014/06/18(水) 15:29:28 :
- 5日前の朝、エレンは手元に、布団のシーツとは違う感覚に気づき、目を覚ました。
見るとそれは、1枚の紙切れだった。
手のひら位の大きさの、お世辞にもキレイとは言いがたいものだった。
ほこりや砂にまみれ、汚い。エレンは、布団が汚れた気がして、思わず布団の表面を手で払う。
「…おはよう。どうしたの、エレン。」
同室の友人の様子に気づき、アルミンが声をかける。
「…ああ、アルミン。見ろよ、オレの布団にゴミがのってた。」
どうせ、窓から紙くずが舞い込んだんだろう。エレンは最初、そう思っていた。
「…ゴミ?外からかい?昨夜、そんなに風が強かったっけ…」
「分かんねぇけど。朝から気分悪いな、まったく…」
エレンはすぐさま、その紙切れをゴミ箱へ捨てる。
アルミンも、その時は気にも留めなかった。
しかし次の日も、また次の日も、“ソレ”は届いた。
エレンの枕元に、必ず。
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- 4 : 2014/06/18(水) 15:40:37 :
- 「ぜってぇ誰かのイタズラだ!」
エレンは苛立ちを隠せない。
アルミンは、静かに思考を巡らす。
「イタズラ…誰が、何のために…」
口元に手を添え、思案するアルミンの隣で、エレンは怒りを募らせる。
「…オレの考えが、おかしいって思ってるやつも、たくさんいるからな…だからってこんな…絶対許さねぇ!」
確かに、多くの訓練兵が上位に入り、内地での暮らしを望んでいるなか、調査兵団に入り、巨人を駆逐しようとするエレンの考えを、特殊だと思う者も少なくない。
加えて、厳しい訓練に、粗末な食事、規律のある集団生活のなか、全くイジメといわれるものが、無かったといえば、嘘になる。
だからといって、エレンのケースは今までに無いものだった。
大体、毎晩こっそり枕元に紙切れを置くなんてことに、何の意味が…。
「…エレン、今朝見つかった紙は、どうしたの?」
アルミンの問いに、エレンは忌々しげにゴミ箱を指し示し
「もちろん、捨ててやったさ!」
アルミンは、苦笑し
「…ダメだよ。もはやそれは、大事な証拠なんだから、きちんと保管しておかないと。」
エレンは、ゴミ箱の中から、今朝見つけた紙切れを取りだし、
「…でも、今までの紙はもう、捨てちまったあとだろ。」
エレンの言葉に、アルミンはにっこりと笑い、
「…大丈夫。ちゃんと取り出しておいたから。」
アルミンは備え付けの机の引き出しから、4枚の紙切れを取り出した。
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- 8 : 2014/06/18(水) 21:33:29 :
- ここで、休憩終了のベルが鳴る。
「…と、いけない。また訓練が終わってからにしよう。」
アルミンは再び、紙切れを引き出しに戻す。エレンも手に持っている1枚を、同じ場所にしまった。
しかし、訓練が終了したあと、アルミンは、ミカサに先程のことを問い詰められる。
「エレンにきいても…答えてくれない…アルミンは後で教えると言ってたから…教えてくれない?」
アルミンは、今までの経緯を説明した。
話が進むにつれ、ミカサの表情がだんだん鋭くなる。
「…犯人の目星は…ついてるの?」
ミカサの口からの犯人、と穏やかでない言葉に苦笑しつつも、アルミンは答える。
「…いや、まだ全然。普通に考えれば、同室の人を疑うんだろうけど、紙切れを置く、なんてことをする理由が分からない。」
ミカサは険しい表情のまま、
「…私も犯人捜しを手伝う。」
予想通りの言葉に、アルミンは笑った。
「そう言うと思った。だけどミカサ…現場は男子寮だよ?」
「…関係ない。やましい理由は、何も無い。」
殺気さえ感じる様子のミカサに、アルミンは穏やかに諭す。
「でも、周りがどう思うかは分からないよ。ミカサは女の子なんだから。大丈夫。僕がなんとかしてみせるから。」
力強くうなずいてみせるアルミン。普段見せない頼もしさを感じたミカサは、一瞬戸惑いをみせたが、すぐに表情を引き締め
「じゃあ…お願い。協力できることがあれば、言ってほしい。」
「うん…分かった。」
2人は、それぞれの自室へと戻った。
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- 9 : 2014/06/18(水) 21:49:05 :
- <男子寮にて>
「それはズバリ…ラブレター、だな。」
その日の夜、アルミンは、他の同室の面々にも事情を説明した。それを聞いたコニーは、得意気にそう結論づける。
「は?なんでそうなるんだよ…」
怪訝そうな表情を浮かべるエレンに、コニーは続ける。
「だって、そうとしか考えられないだろ。5日も続けて決まった相手に届いてるんだぜ。偶然とは思えない。」
そんなコニーに、口を挟んだのは、ジャンだった。
「死に急ぎ野郎に惚れる物好きがいるのかどうかは別として、この紙には、何も書いてないじゃねぇか。」
「…は?死に急ぎ野郎って…誰のこと言ってやがるんだこの馬面!」
エレンにそう言われては、ジャンも黙っていられない。
「誰が馬面だこの死に急ぎ野郎!」
偶然にも隣どうしに座っていた2人は、つかみ合いのケンカを始める…かと思いきや、アルミンが声を上げる。
「待って!よく見て、何か文字が書いてある!」
件の紙切れを囲むように座っていた少年たちは、思わず身をのり出す。
「…本当だ。よく見ると、文字らしきものが見えるな…」
一同を代表し、ライナーが紙切れを1枚、手にとってみる。
それは今朝届いた物だった。
目を凝らし、文字を読みとろうとするライナー。
「エ…レン…エレンと読めるぞ…あとは…しょ…くじ…食事か?」
ライナーの言葉に、コニーはまた得意気に、
「ほら、やっぱりエレンを食事に誘いたいっていう、愛のこもったラブレターだ!」
コニーの言葉に、異議を唱えるのはマルコだ。
「でも…不自然すぎる。だいいち、5日も僕たちの中の誰にも悟られずに、エレンの枕元に紙を置くことなんて、できるのかな。しかも、ここは男子寮だ。夜間は鍵がかかって、女子は出入りできない。」
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- 10 : 2014/06/18(水) 22:26:33 :
- コニーはにやりと笑い、
「別に女子と限ったことじゃ…」
そんなコニーの顔面に、エレンの投げた枕がヒットする。
「ぶほっ…痛ぇな、何しやがる!」
「妙なこと言ってんじゃねぇ!」
「妙って…オレはただ、可能性の1つとしてだな…」
弁解するコニーの顔に、またしても枕を投げるエレン。
「ちょっ…エレン、それ、オレの枕だろうが!」
エレンにつかみかかるジャン。
「やったな…オレの投球を受けてみろ!」
コニーの投げた枕が…エレンを狙ったつもりが、ライナーにヒット!
「おっ…やるか…!」
ライナーも枕をつかみ、投げ始める。
「おい、ベルトルト、お前の枕も貸してみろよ。」
もうすでに、就寝準備を始めていたベルトルトは、驚きライナーを見る。
「ライナー…君まで何を…ぶほっ!」
ベルトルトの顔に、ジャンの投げた枕がヒット!
「ベルトルト、お前なあ、毎晩毎晩寝ている間にオレを蹴飛ばしやがって…眠れねぇだろうが!」
ジャンはそう言い放ち、さらに枕をぶつける。
「そっ…そんな…僕は知らないよ!」
と、ベルトルトも応戦する。
「ちょっとみんな…教官に見つかったらまず…ぶっ!」
皆を止めようとするマルコにも、枕がヒットする。
「コニーのスペシャルダブル投球…受けてみやがれ!」
「なにを…こっちはジャンミラクル魔球だ、それっ!」
「お前ら…なんだそのセンスの無いネーミングは…オレはライナースプラッシュアタックだ!」
「オレは巨人共を駆逐する前に…お前らを枕でぶっ倒してやる!」
…周りが壮絶な(?)枕投げ戦争を繰り広げるなか、アルミンは1人、件の紙切れを見つめ、思案した。
一体誰が、なんのために。
アルミンには1つ、組み立てている仮説があった。
ただそれは、にわかに信じがたい“空想”でもあった。
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- 12 : 2014/06/19(木) 08:38:50 :
- 枕投げ戦争の決着はつかぬまま、一同は朝を迎えた。
昨夜は結局、どれが誰の枕か分からなくなり、これがオレのだ、いやオレのだ、お前のだと言い合っているうちに、皆、一塊になって眠りこけていた。
いち早く目を覚ましたのは、アルミンだった。件の紙切れを見つめたまま、うとうととしていたのだ。
アルミンは、真っ先にエレンの枕元(実際には枕を使っていなかったので、頭の辺り)を確認した。
「…。」
あった。
アルミンは、まるで壊れやすい物でも扱うように、慎重に紙を手に取ると、窓の前に立った。
そして紙に書かれている内容に目を通すと、そっと目を伏せた。
アルミンには、その紙の送り主が誰なのか、空想にも似た仮説が、確信へと変わりつつあった。
「んっ…いつの間にか寝ちまったか…」
次に目を覚ましたのは、コニーだった。
「おはよう、コニー。」
2人の声に、他の面々も目を覚ます。
「…おっ、見ろよ。今日の天気は晴れだな。」
ライナーの声に、皆の視線がベルトルトに向けられる。
「…えっ…なに?」
皆の視線に、照れ臭そうに頬を緩めるベルトルト。
「お前がうつ伏せで寝てたら、その日は晴れなんだ。」
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- 18 : 2014/06/19(木) 12:38:13 :
- コニーの言葉に、マルコは外を眺め
「でも…なんか、曇ってるね…」
確かに、外は夜が明けたにも関わらず、どんよりとネズミ色の雲が広がり、薄暗い。
「…そんな迷信めいたこと、いい加減やめろよな。天気なんて、そう簡単に予想がつくもんか。」
エレンの言葉に、ジャンは笑って
「お前は天気なんかより、巨人だもんな。」
エレンがジャンにつかみかかろうとして、止めたのは、アルミンの言葉だった。
「でっ…でもさぁ、エレン…!」
その真摯な眼差しに、エレンのみならず、皆がアルミンの言葉を待つ。
「僕は…僕らは今まで、信じたくないけど、受け入れなければならない真実ばかり受け入れてきたけど、時には、信じてみたい空想を受け入れるのも、良いと思うよ。」
何だか意味深な発言に、一同はしばし沈黙した。
発言の意味はもちろんのこと、アルミンのいつになく真剣な表情に、戸惑っていたのだ。
その沈黙を破ったのは、エレンだった。
「何言ってんだ、いつものアルミンらしくねぇ。空想は空想だ。信じたって、どうしようもねぇだろ。」
その言葉をきっかけに、皆、いそいそと身支度を始めた。
とはいえ、今日は休日なので、皆、兵服ではなく、私服に着替える。
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- 19 : 2014/06/19(木) 12:49:12 :
- 朝食後、外庭で遊ぼうと出てゆく皆に続くエレンを、アルミンが引き留める。
「どうした、アルミン。」
エレンを再び自室へと連れ戻すと、アルミンはエレンと向き合う。
「…エレン、よく聞いてほしい。」
「なんだよアルミン、お前、朝から変だぞ。」
エレンはそう言って笑ってみせるが、アルミンは表情を変えることなく、エレンの前に、件の4枚の紙を並べる。
エレンの表情が堅くなる。
「…今朝も、来てたのか?」
アルミンは重々しくうなずき、ポケットから、小さく折り畳まれた紙を出す。
紙を広げようとするエレンを、アルミンは止める。
「僕なりに…昨夜色々考えた。そして今朝、確信がもてた。まず、最初の3枚は、文字らしいものが見えても、解読は不可能だった…ただ…」
アルミンは言葉を切り、エレンに優しく微笑みかける。
「…エレンという文字が、幾度となく書かれていることだけは、分かった。」
「オレの…名前…?」
「そして、4枚目だけど…」
アルミンは、4枚目の紙を、エレンの前に出す。
「これは、辛うじて読み取れた。分からない部分は僕の想像で埋めたんだけど、間違ってないと思う。」
「何が書かれてたんだよ、早く教えろよ。」
そう急かすエレンに、アルミンは静かに紙を手に取り、読み上げる。
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- 20 : 2014/06/19(木) 13:06:04 :
- 「エレン…食事はきちんと摂れていますか。お友達と仲良くやれていますか。また、後先考えずに、ケンカをしていませんか。…母さんはそれが…一番心配です…」
母さん。ずっと耳にしていなかった、懐かしい言葉が響く。懐かしさに心が流されてゆくのを、エレンは激しく振り払う。
「バカなこと言うなよ!母さんは…オレの母さんは死んだんだぞ!手紙が届くわけねぇだろ!」
そんなエレンに、アルミンは寂しげに微笑む。
「僕も…未だに信じきれない。だけど、イタズラでこんなことをする人がいると思う?何の意味がある?」
エレンは、答えられずにうつむく。
「でも…そんな…ことが…」
戸惑うエレンに、アルミンは、今朝届いた紙を広げ、エレンに見せる。
「これは…はっきりと文字が読み取れる。エレン、君が直接読んでみるといいよ。」
ゆっくりと顔を上げるエレンに、アルミンは付け加える。
「多分これが…最後だ。」
エレンは、紙を見た。今までの物とは異なり、倍位の大きさの物だった。びっしりと文字が書き連ねてある。
その冒頭
{エレンへ}
幼い頃。母の隣で、自分は見ていた。家計簿をつけているところや、親戚縁者に手紙を書くのも、母の役目だった。
自分は何度も、母の字を見てきた。
そしてその記憶の中の母の筆跡と、今目の前にある文字は、同じだった。
エレンは、夢中でその先を読み進めた。
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- 21 : 2014/06/19(木) 13:16:39 :
- {エレンへ
元気でやっていますか。あなたのことだから、ケガなどしていないか、とても心配です。
なにせ私の、大切な息子だからね。
いつもあなたは、私の言うことを聞いてくれなくて、私はあなたに怒ってばかりで、こうして文字にしないと、素直に気持ちが伝えら
れないなんて、なんだか、おかしいね。
あなたはもう、私の背を追い越しているでしょうね。
その日を、一緒に過ごしたかった。
声ももう、男の人らしく、低い声になっているでしょうね。
もっと一緒に、話がしたかった。
母さんは今、誰も知らない、遠い所にいます。そしてもうすぐ、もっともっと遠い所へ旅立ちます。
エレン。あなたは、たまにおどけてみせて、母さんが笑った時、とても嬉しそうな顔をしていましたね。
母さんも、エレンが泣くと悲しいし、笑うと、とても嬉しいよ。
どうか、生きてくださいね。それだけが、母さんの最後の願いです。
生きて、生きて、エレン。母さん、ずっとみているからね。
カルラ}
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- 22 : 2014/06/19(木) 13:34:11 :
- 読み終えて、エレンはまた、うつむいた。アルミンが声をかけようとすると、ぽそりとつぶやく。
「…ったく…しょうがねぇな…」
アルミンは黙って、エレンの言葉を待った。
「もう…死んじまってるくせに…まだ…心配ばかり…して…」
アルミンは、ふとエレンから目を反らす。人一倍巨人との戦いに強い覚悟を持った友人の泣き顔を、見てはいけない気がした。
「…まったく…いつまでも…オレは子供じゃねぇのに…」
机上の一点を見つめていたアルミンは、ふと光が射していることに気づき、空を見上げる。
いつの間にか、雲の切れ目から青空が見え、みるみるうちに、空が晴れあがってゆく。
「…アルミン…」
服の袖で涙をぬぐい、エレンは隣に立つ友人に声をかける。
「…なに?」
エレンは空を見上げ、そっと微笑んだ。
「ベルトルトの天気予報…当たったな。」
「…うん。」
母さん、今、どこにいるのだろう。エレンはふと、考えた。
自分たちの見上げているこの空を、幾つも幾つも繋いでゆけば、いつか母さんのいる所に届くのだろうか。
エレンの頬に注ぐ陽の光は、なぜかいつもより、優しく感じた。
すると、入り口から元気の良い声が飛び込んでくる。
「…おい、エレン、アルミン、何やってんだ。早く来いよ。遊ぼうぜ!」
コニーの声に、2人は笑顔で答える。
「おう、今行く!行くぞ、アルミン。」
「うん!」
自室を出て、外へ飛び出す。
机上に残された5通の母からの手紙には、あたたかな日射しが、優しく照らしだされていた。
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- 23 : 2014/06/19(木) 13:37:35 :
- ※以上で終了とさせていただきます。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
さて、次はそろそろ【進撃の調査劇団シリーズ】に移りたいと思います。
ではまた、劇場でお会いしましょう(…なんてね(^^)
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- 31 : 2014/07/18(金) 17:56:14 :
- 泣かせるじゃねーかよ~(^0_0^)
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- 32 : 2014/07/19(土) 21:53:24 :
- >>31名無しさん
ありがとうございますっ(>_<)
そのお言葉に数珠繋ぎも感激の涙流し中です
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- 33 : 2014/08/12(火) 22:51:32 :
- 泣ける…( ´•̥̥̥ω•̥̥̥` )
部屋で1人で泣いてたら姉が入ってきた。やべえ。(*/ω\*)
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- 34 : 2014/08/14(木) 21:20:23 :
- >>33 アルミンの飼い犬さん
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
大丈夫だったでしょうか…お姉さんが理解してくださることを願っています
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