この作品は執筆を終了しています。
小泉「空に届くかな?」
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- 1 : 2014/04/19(土) 00:01:10 :
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スカイさんに贈るSSです。
小石ものです!
ネタバレ注意です
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- 2 : 2014/04/19(土) 00:05:29 :
プシューーーーー!!!
ピーーピーーーーーーー!!!!
耳障りな騒音と、目に刺すような光が差し込む
おぼろ気な記憶………
それは、砂時計が下に落ちるようにゆっくりと
だけど確実に鮮明に思い出していく
…………ああ、そうか…私は………………
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- 3 : 2014/04/19(土) 00:08:28 :
~~~~~~~~~~
隣にいるのは石丸清多夏……一応………私の彼氏。
石丸「で…では、き、今日は!はは初デデデデートだ!!」
小泉「アンタ…噛みすぎ、男子でしょ!シャキッとしなさいシャキッと!」
石丸「う、うむ…了解だ…………」スゥゥ
石田「俺は俺だァァア!!!」ゴゴゴ
小泉「いや、なんでそうなるのよ」チョップ!
ポコッ!
石丸「…ぼ、暴力とは酷いではないか!」
小泉「はいはい、で?デートは不純異性交遊じゃなかったんだっけ?」
石丸「甘いぞ小泉君!僕は兄弟や苗木先生…そしてGoogleで様々なことを学んだ!」
石丸「そして僕は知った。節度を持った関係なら、寧ろそちらの方が健全だということに!」
小泉「ま、まあ、アンタが大和田と肩組んで高笑いしてるよりは絵面的にも健全だけどさ」
石丸「む?どういうことだ?」
小泉「アンタは知らなくて良いの。…でさ……どこ行くの?デートプランは任せてって言ってたけど…」
石丸「うむ!漫才というものを見に行こうと思う」
小泉「……………」
石丸「どうしたのだ?そのような顔をして!まさか体調が優れないのか!?直ぐに病院へ!!!」
小泉「違うわよ、…アンタ、苗木先生や、Googleはどうしたのよ。」
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- 4 : 2014/04/19(土) 00:10:21 :
石丸「……まず兄弟に聞いたのだが、ツーリングと言われたのだが、生憎僕はバイクと免許を所持していない…」
小泉「じゃあ、Googleは?」
石丸「うむ!季節限定のイベントが良いと書いてあったぞ!!」
小泉「じゃあ、なんで漫才になるのよ…」
石丸「これを見たまえ!!」ビシッ!
小泉「…冬季限定……古今東西漫才フェスティバル?」
石丸「そう!つまり…冬限定だ!!!」
小泉「………………で、苗木先生は何て言ったのかしら?」
石丸「うむ!苗木先生と日向大先生に聞いた所、同じような答えが帰ってきて、漫才を快く許可してくれたぞ!!!」
小泉「へ…へぇ…」
小泉(あのバカどもは…)ゴゴゴ
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- 5 : 2014/04/19(土) 00:11:19 :
石丸「ど、どうしたのだ?まさか…」
心配そうにこちらを見つめる石丸
小泉「あー、もう元気元気。行くからそんな顔するんじゃないわよ」
石丸「ほ、本当か!!」
小泉「う、うん」(本当に…やりにくいわ)
……………………
……………
………
【劇場】
「ナンデヤネーン!!」ビシッ
石丸「はっはっは!」
小泉「…………」
小泉(はぁ…楽しくない…。初デートだったのになぁ…)
小泉(カメラも使えないし……あんまりお笑い好きじゃないし……)
石丸「……どうしたのだ?もしや体調が!!イカン!直ぐに外へ!!」グイッ!
小泉「大きな声出すんじゃないわよ。劇場でしょ!……ああもう引っ張らないで」ズルズル
こうして、私は引きづられるようにして石丸と劇場の外に出た
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- 6 : 2014/04/19(土) 00:11:59 :
ーーーーーーーーーー
【劇場外】
石丸「小泉くん!大丈夫か!!」
小泉「元気よ」
淡白な返事。それに対して石丸は
石丸「そうか…良かった」ホッ
と、安堵の息を漏らす石丸…これだから怒りにくい
石丸「じゃあ、行くぞ!」ギュッ
小泉「え!?ど、どこに!?///」
いきなり手を握られ、私は動揺を隠せずにそう問う……けど
石丸「はっはっは、着いてくれば分かるぞ!」グイッ
小泉「……はぁ」
相変わらずと言うかなんと言うか、空気の読めない私の彼氏は…
私の質問など聞かず、強引に手を引くのだった。
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- 7 : 2014/04/19(土) 00:20:01 :
~~~~~~
そして
石丸「よしっ!着いたぞ!!」ピタッ!
10分ほど歩いた所で石丸は立ち止まりそう言った
小泉「えっ…ここって…」
…着いた先は
小泉「水族館!!?」
石丸「…ああ…、僕なりに精一杯考えた結果なのだが…やはり嫌か?」
小泉「ううん、嫌じゃない!寧ろ嬉しい!さっ、行きましょう!」グイッ!
石丸「わわっ!引っ張らないでくれ!」
気付けば立場逆転。
私は童心に帰り石丸の手を引いて意気揚々と歩き進めた
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- 8 : 2014/04/19(土) 00:20:42 :
〈二時間後〉
小泉「あーっ、楽しかった!!」
石丸「そうか、楽しんで貰えて良かったぞ!!」
小泉「それにしても…よく水族館なんて思い付いたわね」
石丸「苗木先生と日向大先生のお陰だぞ!」
小泉「日向たちの?」
石丸「うむ!彼らは二人とも同じようなことを言っていたぞ!」
石丸「『相手が楽しめ、自分の楽しめる場所に行け』とな!!」
小泉「……それでお笑いに…なんで別々に考えちゃうのよ…」ハァ
石丸「す、すまない!そういうことには疎いものでな!」
小泉「疎いってレベルじゃないわ………でも…」
石丸「でも?」
小泉「私のために色々考えてくれたみたいで……嬉しかったわ……あ、ありがとう///」
石丸「はっはっは!!愛する女性のためだ!当然のことだぞ!!」
小泉「ば、バカ!声が大きいわよ!!」
クスクス
周りから笑い声が聞こえる…ああもう、恥ずかしい…!
石丸「?どうしたのだ?」
アンタのせいよ!バカ!
石丸「顔が赤いぞ?熱なのか?!」
違うわよ!バカっ!
小泉「アンタが、あ、愛する女性とか言うからよ…バカ…!」
石丸「真実を言ったのに、なんで僕は怒られているのだ!?」
小泉「アンタが空気読めないからよ」
石丸「なんだと?!僕は空気を読めていなかったか!!」ガタッ
小泉「はいはい、読めてない読めてない。こういうときは男子がエスコートするんでしょ」
石丸「!…そうか。では小泉くん。帰ろうか」スッ
小泉「ええ。」スッ
ギュッ!
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- 9 : 2014/04/19(土) 00:21:49 :
私は手を塞がれるのはあまり好きじゃない。
だって、カメラが扱えなくなるから
……だけど
石丸「…どうしたのだ?僕の顔な何かついていたか?」
小泉「ううん。なんでもないわ」ニコッ
石丸「うむ!小泉くんの笑顔は何度見ても可愛いな!」ハッハッハ
小泉「こういう所で……もうっ!」テレッ
たまにはこうやって…誰かと……
ううん、石丸と……私の大切な彼氏と手を繋ぐのも悪くないかもしれない…
確かにそう思った
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- 10 : 2014/04/19(土) 00:32:07 :
- ベータさんんんん!!!ありがとうございます!!にやにやがとまらんっねえ!ってやつです!!小石もの美味しすぎます!期待&支援です!
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- 11 : 2014/04/19(土) 00:38:07 :
- >>10
そう言って貰えて凄く嬉しいです!!!
にやにやして貰えて良かったです!!!
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- 12 : 2014/04/19(土) 00:38:19 :
そして、その後も私たちの関係はつなぎ
『小泉くん!栄養バランスはどうかね?』
「アンタは私のママなの?!」
『小泉くん!髪を染めるとは何事か!』
「これは地毛よ!」
『小泉くん!ピアスなど、自分を傷つけるようなことはダメだぞ!』
「しないわよ!っていうかそもそもしてないわよ!」
『小泉くん!』
『小泉くん』
『小泉く──』
『小泉──』
『小──』
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- 13 : 2014/04/19(土) 00:38:41 :
- つなぎ→続き
です!
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- 14 : 2014/04/19(土) 01:28:31 :
ーーーーーーーーー
小泉「あぁ…」ポロポロ
砂時計の砂が落ちきるとき…つまり全てを思い出したとき、私の目からは大粒の涙が流れ出ていた…
小泉「何で…何で私は…」ポロポロ
「小泉!」
小泉「っ!」バッ
顔をあげる、そこに居たのは…
日向「良かった…目が覚めたのか」
小泉「日向…」
日向創の姿だった…
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- 15 : 2014/04/19(土) 01:29:38 :
〈その後の話〉
私が起きたのは比較的早い方だったらしく
昔散り散りに別れ、久しぶりの再会…それは絶望的なものだった
片腕が違う人間のものになった狛枝や
片目の瞑れた九頭竜
痩せ細った赤音ちゃん
その他皆ボロボロだった…
日向も後に聞いた話によると、頭の中を弄くられていたらしい…
そんな中で私は鏡を見るのが怖かった。
絶望していた頃の記憶は何故かうる覚えで、私が私に何をしたのか全く覚えていなかったから…
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- 16 : 2014/04/19(土) 01:30:11 :
ザッ
小泉「………」
目を瞑ったまま鏡の前に立つ
怖い……怖いよ………
スッ
そんな恐怖を圧し殺しながら私が見たものは…
小泉「……!!」
何も無かった…やや髪が伸び、少し枝毛ができている……それだけ…
小泉「……あれ?」シュルッ
服を脱いで確かめるも、大して何かあることは無かった…
小泉「……どういう…」スッ
服を着ながら、ついそう言葉をもらす
『自分を傷つけないように!』
小泉「!!」
もう会えなくなった彼の言葉を思い出す
小泉「そっか…アイツの言葉が…」ダッ!
私は部屋を飛び出し外に出た
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- 17 : 2014/04/19(土) 01:31:16 :
【砂浜】
小泉(馬鹿みたいに真面目なアンタならきっと天国にいるはずよね…)
私は上を、日照りの強い空を見上げこう言う
小泉「ありがと!!!」
感謝の言葉を。普段言わなかったし、言えなかった言葉を。
そして…
小泉「私も大好きだよッ!!!!」
愛の言葉を叫ぶ
…もちろん返事なんて反ってこない
だけど、そう叫ばずにはいられなかった
小泉「……ふふっ…空に…アイツの所に届いたかな?」
私は今日も生きていく…
彼の与えてくれた希望を胸に生きていく!
小泉「そっちに行くのは暫くかかりそうだから……でもその時は…また手を繋いでね!!」ニコッ
『もちろんだ!』
小泉「え?」
聞こえる筈のない返事が…聞こえた気がした
~~fin~~
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- 18 : 2014/04/19(土) 10:56:57 :
- お疲れ様です!希望絶望色んなのが混じっててすごくよかったです!自分を傷つけないように!のところは泣きました。小泉が脱いでるところを想像して元気でました!
本当にありがとうこまざいました!!
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- 19 : 2014/09/05(金) 02:12:19 :
- うぁあああああああああああ!!!!!!
なんて言うことだ…石丸はあの事件で殺された後だったのか…。
非常に感動しました。ありがとうございました!!
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