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七海「おーい、全員集まった? それじゃあそろそろ始めよっか」

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  1. 1 : : 2014/04/08(火) 21:46:16
    ぴんぽんぱんぽーん

    モノクマ「えーと、希望ヶ峰学園修学旅行実行委員会がお知らせします!」

    モノクマ「ボクは今回が初投稿になりますので、不慣れな点や何らかのミスがある可能性があります。投稿速度については最後まで既に書き上がっているので、すぐ終わると思うけどね!」

    モノクマ「更に言えば、キャラ崩壊や過去捏造なども多分に含まれているため、苦手な人は注意するように!」

    モノクマ「ついでに言っとくけど、スクールモードからのアイランドモードクリア後、っていう時間軸を想定しているため、プリチーなボクの出番はありません。残念だったね!」

    モノクマ「ではでは、楽しんで行ってくださーい」
  2. 2 : : 2014/04/08(火) 21:47:09
    石丸「な、七海くん。何だかその台詞は激しく嫌な予感がするのでやめてもらえないだろうか」

    大神「ああ。何故かはわからんが、この場にいる過半数は生きてここからでられぬような気がするな」

    七海「そかそか。ごめんね?」

    九頭龍「オレは別に構わねーけどよ……何なんだよ、この面子はよ」

    腐川「あ、あたし達をメールで呼び出したのは七海千秋でしょ? はは、早く用件を言いなさいよ。あたしだって暇じゃないのよ……」

    大神「七海を合わせて五人か。これで全員なのだな?」
  3. 3 : : 2014/04/08(火) 21:47:29
    七海「うん、そうだよ。じゃあ用件を言う前に一つ、問題です」

    石丸「ほう、クイズか。ハッハッハ、頭の体操は好きだぞ」

    九頭龍「チッ、メンドクセーな。さっさと言やいいだろうがよ」

    七海「まあまあ、そう言わずにさ。問題は、ここにいる私達の共通点についてだよ。何かわかる?」

    腐川「きょ、共通点……?」

    九頭龍「ンなもん、希望ヶ峰学園の元生徒って以外に何かあるのか?」

    七海「ブブー、ハズレ。私は厳密には希望ヶ峰学園に通ってはいないから、そもそも当てはまらない、と思うよ?」

    九頭龍「ああ、それもそうだな。七海はプログラムなんだったか。何の違和感もなくやり取りしてるからつい忘れちまうぜ」

    石丸「だが、そうなると人間である、いやそもそも生物であるという時点でも共通点が無くなってしまうが」

    大神「本当に我らに共通点など存在するのか?」
  4. 4 : : 2014/04/08(火) 21:49:46
    七海「うーん、じゃあヒントです!」

    石丸「むう、思いつかない自分が恥ずかしい……!」

    七海「えーとね。大神さんだけはちょっと特殊だから例外、かな」

    大神「我が例外?」

    腐川「ああ、それならわかるわよ」

    九頭龍「マジか! 何だってんだよ?」
  5. 5 : : 2014/04/08(火) 21:50:16
    腐川「石丸清多夏、七海千秋、九頭龍冬彦、腐川冬子……全員名前に季節を表す文字が入ってるわね」

    石丸「おお! 言われてみれば確かにそうだ!」

    七海「大正解! ちなみに大神さんには、足りなかった春の枠を担当してもらう事にしました」

    大神「フム、なるほど。我は名前である『さくら』にかけたのか」

    九頭龍「言われてみりゃ納得はするけどよ……で、だから何だってんだ?」

    七海「うん、実はね。みんなにはこれから、自分の名前の季節にまつわるステキな思い出を話してほしいなって思ったんだ」

    九頭龍「素敵な思い出だぁ?」

    大神「我は別に構わんが、なぜそのような事を?」
  6. 6 : : 2014/04/08(火) 21:51:29
    七海「うん。知識としての季節のデータは私の中にもあるんだけど……もっと人間味のある季節のエピソードが知りたいんだよね」

    石丸「プログラムとしての本能のようなものか?」

    腐川「アルターエゴとその点は同じね。さ、流石は兄妹ってとこかしら?」

    七海「うーん、ちょっと違うんだけどなあ。まあ、それでいいや。で、お願いできるかな?」

    大神「我はさっき言った通りだ。別に構わぬ」

    石丸「僕もやましい事など一つもないからな!」

    九頭龍「オイオイ、何勝手に話す流れにしてやがんだ」

    七海「ダメ、かな?」

    九頭龍「う……ち、仕方ねえな。少しだけだぞ」

    七海「ありがとう、九頭龍くん」
  7. 7 : : 2014/04/08(火) 21:52:22
    季節の件、おお!ってなりました(笑)

    期待です!!
  8. 8 : : 2014/04/08(火) 21:52:23
    腐川「け、けど秋はどうするのよ?」

    九頭龍「あん? だから七海が担当するんだろ?」

    腐川「そうみたいだけど。でもちゃんと話せるの?」

    大神「そうか。七海の行動範囲である新世界プログラム内には常夏の島、ジャバウォック島しか存在しないのだったな」

    石丸「そうか! それでは秋のエピソードなど語れないではないか!」

    七海「うーん、それについては私の番で説明するよ。それじゃ駄目かな?」

    九頭龍「ま、話せることがあるなら別にいいんじゃねーか? そもそもこの集まりを主催したのも七海だしな」
  9. 9 : : 2014/04/08(火) 21:54:36
    >>7
    ありがとうございます!
    切り所が難しいですが頑張って投下します。
  10. 10 : : 2014/04/08(火) 21:55:05
    七海「じゃあ、そんなわけで……春夏秋冬の順番でまずは大神さんからお願いしたい、と思うよ?」

    大神「ふむ、我からか。春のエピソードだったな?」

    七海「うん、お願い」

    大神「では、あの話をしようか。大神家が代々続けている道場の庭には一本の立派な桜の木が植えられているのだが」

    石丸「ほう、なんとも風流な事だな」

    大神「ああ。だがそれ以上に我にとっては思い出の場所なのだ。というのも、あれは我がまだ中学生の頃だったな。ある日学校から帰ると、道場の門下生達が軒並み倒れているという場面に遭遇したことがあってな」

    九頭龍「オイオイ、大丈夫だったのかよ。カチコミでもあったのか?」

    大神「まあ、似たようなものだ。無事な人間はいないかと道場内を探していると、桜の木の根元で見覚えのない男が一人眠っていてな」

    腐川「ふ、不法侵入って事?」

    石丸「何だと!? 法律違反ではないか!」
  11. 11 : : 2014/04/08(火) 21:55:43
    大神「いや、そういう話ではない。その男は我が近寄るとすぐに起き上がってこう言ったのだ。『お前、相当やるな』とな」

    七海「うーん、それってひょっとして、ウワサに聞く道場破りって奴かな?」

    大神「まさしく。我ですら時代錯誤だと思ったものだが、どうやらその男は我が道場を破りに来たようでな。そんな話を聞いては我も黙ってはいられん。桜の木の下で、その男と我は拳を交えた。だが……我はそこで敗北を喫したのだ」

    九頭龍「てことは……看板取られちまったのか?」

    大神「いや。ただ強者を求めて我が道場に来ただけだったようだ。看板を持って行きはしなかった。……と、それが我とケンイチロウとの出会いというわけだ」

    七海「おー! ケンイチロウさんの話だったんだね」

    腐川「た、たしかアンタの初恋の相手……だったわね?」

    大神「ぬぅ、そう言われると少々照れるものだな」

    七海「なるほどなるほど。うん、たしかにこれは素敵なエピソードだったよ」

    九頭龍「ああ。オレも何となく、大神の気持ちがわかるっつーかよ。家の稼業がデケエってとこは共通してっからな」

    腐川「素敵だったかしら……? ただ喧嘩してただけじゃない」

    石丸「だが、喧嘩するほど仲がいいとも言うぞ!」

    大神「捉え方は人それぞれだろうが、それが我とケンイチロウの繋がりの在り方という事だ。……我の話は以上だ。参考になったか? 七海よ」
  12. 12 : : 2014/04/08(火) 21:57:10
    七海「うん、とっても。ありがとね、大神さん。じゃあ次は石丸くん、お願いできるかな?」

    石丸「ああ、任された! ……と言っても、僕には大神くんのようなエピソードはないのだが」

    九頭龍「おいおい、お前乗り気だったんじゃねえのかよ」

    石丸「す、すまない。だが僕の経験上、夏の思い出となると夏期講習に出ていた事や、長期休暇を利用したボランティア活動程度でな」

    腐川「あ、アンタらしいわね。だったらその、ボランティア活動ってのについて話してみなさいよ」

    九頭龍「たしかにな。超高校級の風紀委員がやるボランティアってのがどのレベルのボランティアなのか、ちっと気になりはするぜ」

    石丸「ふむ、その話か。だが特別なエピソードなどは特にないぞ?」

    七海「それでいいんだよ。特別じゃなくても、それは間違いなく人間味のある話だからさ」

    石丸「ふむ、そういう事なら……。そうだな、まずは夏に人の多い海辺でゴミ拾いをしたな!」

    九頭龍「思ってたよりフツーだなおい」
  13. 13 : : 2014/04/08(火) 21:57:33
    石丸「まったく、嘆かわしいことに海辺の不法投棄はかなり多い! 飲み物の瓶や缶、ビニール袋になどをはじめとして、花火禁止の浜辺であっても花火のかすが落ちている事が多々あるのだ!」

    大神「ヌウ。花火自体は風流なものだからな。否定するつもりは毛頭ないが、節度を持って遊んでほしいものだ」

    九頭龍「けど、浜辺でやる花火ってのも意外と楽しめるからな。気持ちはわかるぜ。ほら、ジャバウォック島で七海や日向達とやった時も結構バカ騒ぎ出来て良かったしな……」

    七海「ああ、うん。あれはいいものだったよ」

    石丸「ちゃんとゴミの処理は各自で行ったのだろうな?」

    九頭龍「訊くまでもねーだろ。テメーら四六時中見てたんだろ?」

    大神「安心するがいい。ゴミは各自で持ち帰っていた。弐大の先導の元な」

    石丸「なるほど! 彼とは気が合いそうだな!」

    九頭龍「かもな……で、海辺のゴミ拾い以外には何やってたんだよ?」

    石丸「うむ、キャンプ場を兼ねている山のゴミ拾いをしたな」

    腐川「ご、ゴミ拾いばっかじゃないの……!」
  14. 14 : : 2014/04/08(火) 21:59:14
    石丸「だが、他の話となると……そうだ、少々ボランティアからはそれるのだが」

    七海「お? 何かな?」

    石丸「近所に住んでいる小学生が、夏休みの自由研究で虫取りをやっていた事があってな。虫についての知識を教えた上で、いそうな場所を教えたりもしたぞ」

    九頭龍「へえ、それはまあ教えた知識ってのが難しすぎてなけりゃ、いいエピソードなんじゃねえか?」

    石丸「安心したまえ。小学生にもわかる語彙でしか話していないからな!」

    腐川「ま、まあゴミ広いよりはマシなエピソードね」

    石丸「だが、僕から他に話せる話はなさそうだ。次の人に移ってもらって構わないだろうか?」

    七海「うん、わかったよ。石丸くん、ありがとね。じゃあ次は私かあ」
  15. 15 : : 2014/04/08(火) 21:59:51
    大神「話せるエピソードはあるのだったな?」

    七海「うん。えっと、ちゃんと説明するとね。前に、お父さんが私やウサミちゃんのために、春夏秋冬プログラムを組んでくれたんだよね」

    九頭龍「春夏秋冬プログラムだぁ?」

    七海「うん。新世界プログラムの中のジャバウォック島で四季を堪能できるようになるプログラム、らしいよ?」

    大神「では、七海も四季を感じることができるようになったというわけか」

    七海「それが、実はまだなんだよね」

    石丸「ふむ、まだ不二咲くんがプログラムを組んでいる段階、という事かね?」

    七海「うん、そうなるのかな。ただ、一応試作型って事で私の名前にちなんで秋だけは、前に入れてもらったんだよ」

    大神「なるほど。それでエピソードがあるというわけか」
  16. 16 : : 2014/04/08(火) 22:00:25
    九頭龍「で、七海は秋の世界で何やったってんだ?」

    七海「えっとね、日向くんが紅葉を見るのに付き合ってくれたんだ」

    九頭龍「日向か……アイツも隅に置けねえな、全く」

    大神「だが紅葉とは、風情があっていいものだな」

    腐川「け、けど紅葉を楽しめるような場所なんて用意してたかしら……?」

    七海「んっと、そもそもまだ試作だから。何か不具合があるままアップデートしちゃうとまずいし、ジャバウォック島からは外れた場所に秋世界プログラムを用意してくれたんだよね」

    石丸「なるほど。秋の世界のみを堪能できる空間を別に作ったのだな」

    七海「うん、そうなんだ」
  17. 17 : : 2014/04/08(火) 22:00:59
    九頭龍「で、そんな場所でオメーは日向のヤローと何してやがったんだ?」

    七海「……お昼寝、かな?」

    腐川「ここまでくるといっそ、日向も哀れね……」

    大神「言ってやるな、腐川よ」

    七海「? 気持ち良かったよ?」

    石丸「問題はそこではないのだ!」

    九頭龍「お? 珍しいな、石丸がそんな風に言って来るなんてよ」

    石丸「何を言う! 冬程ではないにせよ、秋も冷気がある季節だ! 外で眠ってしまうなど、風邪でも引いたらどうするつもりなのだね!」

    九頭龍「突っ込むポイントはそこかよ」

    腐川「そ、そこのズレた風紀バカはほっときましょ。それより、他には何もしてないの?」

    七海「んーと、あ、日向くんが焼き芋作ってくれたよ。美味しかったなあ」

    九頭龍「まあ、あいつのやりそうなことか」

    七海「けど私から話せるのはこのくらいかなあ」
  18. 18 : : 2014/04/08(火) 22:01:30
    九頭龍「なるほどな。じゃああとは冬のオレと腐川か……どっちから話す?」

    腐川「……ないわよ」

    九頭龍「あ?」

    腐川「あ、あたしには話せるようなエピソードなんて、一つもないって言ってるの……!」

    大神「一つもだと?」

    腐川「そ、そうよ。笑いものにされたエピソードなら幾らでもあるけど」

    九頭龍「お、おい。なんかネガティブ入ってんぞ!?」

    石丸「本当に何もないのかね?」

    腐川「……し、強いて挙げるなら」

    大神「む?」
  19. 19 : : 2014/04/08(火) 22:02:05
    腐川「雪のちらつく寒い冬の夜……あたしは一人夜道を歩いているの……。そう、一人寂しくね。しんしんと降り積もる雪を踏みしめながら、カップルがあちらこちらに散見できる人通りの多い夜道を、よ。そこであたしはただ、雪に打たれるためだけに歩いているの。その冷たさだけが、あたしが生きているって証になるから……。けど、そんな時よ。一台の黒塗りのリムジンがあたしの横で停車するの。何事かと思ってあたしはその車を眺めるわ。するとリムジンの窓が開いて顔を出したのは……そう! 白夜様よ! 白夜様はあたしに『おい、腐川。こんなところで一人で何をしているんだ。雪の降る中防寒具も大して身に付けて徘徊するなど……お前はそこまで愚かだったのか?』と罵る! そしてそして……!」

    九頭龍「な、なあ、あれ妄想話じゃねえのか……?」

    大神「自分の世界にトリップしているようだな」

    石丸「む、むう。超高校級の文学少女の妄想だからな。興味が無いといえば嘘になるが……普段のネガティブな彼女を知っている分、どんな方向へ向かうのか恐怖を覚えずにはいられないな」

    七海「えっと、じゃあ……腐川さんは置いといて、九頭龍くんお願いできるかな?」
  20. 20 : : 2014/04/08(火) 22:03:40
    九頭龍「チッ、仕方ねえな。けど冬の思い出っつーと……そうだ、あれがあったな」

    石丸「話してみたまえ!」

    九頭龍「言われなくても話してやるよ。あれはオレがまだガキの頃の話だ。詳しくは覚えてねえが、たぶん小学生くらいじゃねえか? あの頃、オレは稼業が稼業だからよ。学校にダチなんていなかったんだよ」

    石丸「わかる、わかるぞ……! 僕も希望ヶ峰学園に入るまで、友人など一人もいなかったからな!」

    七海「私も、みんなと出会うまで友達はいなかった……と、思うよ?」

    大神「七海の場合は生まれて間もなかったのだ。仕方がないだろう」

    九頭龍「まあ、そうだな。それに七海はもう、いいダチが沢山いるだろうが。……っと、話続けるぜ。でな、そんな当時のオレの遊び相手っつーと妹かペコ、その二人だけだったわけだ。けど妹は家族だからよ。実質ダチって言えるのはペコくらいでな」

    七海「ほうほう、『友達』なんだね」
  21. 21 : : 2014/04/08(火) 22:04:08
    九頭龍「う、うっせえな、茶化すんじゃねえよ! ……でもよ、オメーらも知ってんだろ? つい最近までペコの奴、自分の事は単なるオレの道具だとしか思ってなかったんだよ。昔のオレはその意味するところまでしっかり理解できてたわけじゃねえけど、それでも違和感は覚えてたんだよな。あれ、なんか違うってな具合によ」

    大神「辺古山はそのようにしてしか生きられなかったと言っていたからな。仕方がないのかもしれんが……」

    九頭龍「でまあ、何年もその違和感はあったんだが、なるべく気にしないようにして遊んでたわけだ。あいつも喜んで遊び相手になってくれてたしな。けどよ、成長してくると、あいつの考え方とか、言ってることの意味とか、ちょっとずつ理解し始めちまってよ」

    七海「辺古山さんの『自分が道具だ』って言葉の意味ってこと?」

    九頭龍「ああ。で、気が付いてからはオレは何度も言おうとしたんだよ。『オメーは道具じゃねえ、オレのダチだろーが』ってな。けどそれが何故だか上手く言えなくてよ……結局、『オレに道具なんざいらねえ』としか言えなかったんだ」

    大神「それは、辺古山は自分が嫌われたと思ったのではないか?」

    九頭龍「かもな……オレがそう言う度に、あいつ寂しげな顔してたしよ」
  22. 22 : : 2014/04/08(火) 22:04:33
    石丸「だが、誤解は解けたのだろう?」

    九頭龍「ああ。それは最近になっての事だけどな。ま、それは今はいいだろ、本筋とは関係ねえ。で、ここまでが前提の話だ。こっからが本題の、冬の思い出だ」

    七海「おお、とうとうなんだね」

    九頭龍「さっきも言ったが、学校にはオレはダチがいなかったんだ。かと言ってイジメ喰らってたってワケでもねえぜ? 弱えーヤツらが群れてもオレにとっちゃ取るに足らねえ雑魚同然だったからよ。群れても勝てねえ奴は襲わねえってのがああいう奴らの心理だろーしな。そんでも、オレは寂しいとか思っちゃいなかった。ダチなんてペコがいりゃ十分だと思ってたし、そもそもオレの方も、住む世界が違う奴らと群れる気はさらさら無かったからよ。けど雪の積もったある日の冬の日の放課後にな。近くの公園でクラスの奴らが雪合戦してやがったんだ。その様子をオレはペコと一緒に目撃してよ」

    七海「寂しくなっちゃったんだ?」
  23. 23 : : 2014/04/08(火) 22:05:14
    九頭龍「ちげーよ。てか、ペコにもそん時似たようなこと言われたんだよ。『ぼっちゃん、ご学友の方と遊ばれはしないのですか?』ってな。けどオレはそんな気はなかったからよ。『遊ばねーよ』ってだけ答えたんだ。そしたらよ……オレ、どんな顔してたんだろうな。ペコの奴、帰るなり『雪合戦は無理ですが、雪だるまでも作りましょう』なんて言ってきてな。そん時のペコの笑顔が、なんつーか、それまでの『自分は道具だ』って言い続けてきたあいつのどの顔よりも輝いて見えてよ……」

    大神「ふっ、惚れたか」

    九頭龍「うっ……チッ、わぁったよ、正直に言ってやる。そこでオレは気付いちまったんだよ。それまでオレが『オメーは道具じゃねえ、オレのダチだろーが』って言えなかった理由は、心のどっかであいつの事、ダチって言いたくなかったんだってな」

    石丸「ふむ? 友人として接していたのではなかったのか?」

    九頭龍「そのつもりだったんだがよ……まあ、なんつーか。ダチって言葉に出して言っちまったら永遠にダチ止まりなんじゃねえかってな。たぶんオレはその頃からペコに、その、なんだ。……だぁ、もう、そういう事だ! これ以上言わせんじゃねえ!」

    大神「ふ、まあいいだろう。察せるからな」

    石丸「どういう事だ、まったく分からないぞ!」

    七海「さすがにプログラムの私でも察してあげるべきだと思うよ?」

    石丸「む、ぐうう。僕もまだまだ勉強不足という事か……!」

    九頭龍「お、オレの話はこれでおしまいだ! それでいいだろ?」

    七海「うん、ありがとう。これはかなり素敵なエピソードだったんじゃないかな」
  24. 24 : : 2014/04/08(火) 22:06:40
    大神「ちなみに、雪だるまは作ったのか?」

    九頭龍「ん? ああ、作ったぜ。つってもオレもペコもそんな器用じゃねえからよ。完成したのを妹に見られて爆笑されたけどな……」

    七海「それも含めていい思い出、って事かな?」

    九頭龍「……そうだな。ああ、いい思い出だよ」

    大神「なるほどな。九頭龍よ、我はお主を応援するぞ。今後も頑張るといい」

    九頭龍「お、おう。サンキューな」
  25. 25 : : 2014/04/08(火) 22:07:05
    腐川「そして! あたしと白夜様は、む、むむ、結ばれるのよ! あ、あは、アハハハ……!」

    九頭龍「うお! きゅ、急に大声あげんじゃねえよ!」

    七海「そういえば、腐川さんの事すっかり忘れてたね」

    大神「延々と話し続けていたという事か」

    石丸「それも彼女の才能の一つ、という事だろうか……?」

    腐川「あ、アハハハハ、は、は、はは……ハックショ!」

    大神「なッ……!」

    七海「あー、クシャミしちゃったね」

    石丸「こ、コレは少々……マズいのではないか?」

    九頭龍「あ? ああ、そういやたしか腐川はクシャミすると……」
  26. 26 : : 2014/04/08(火) 22:07:23
    ジェノサイダー「はいはーい、愉快な殺人鬼どぇす☆ あららン? これどーいう面子なの?」

    七海「名前に季節が入ってる人、だよ」

    ジェノサイダー「なーるほどなるほど。ちーたん二号にー、きよたんにー、ふゆぴーに、アタシの根暗人格ね。たしかに季節が入ってるわ! ゲラゲラゲラ! あれ、でもオーガちんは?」

    大神「我は春の担当だ。該当者がいなかったとのことでな」

    ジェノサイダー「なーるほどなるほど。そういう事なら分からなくもないわね!」

    七海「あ、そうだ。良ければジェノサイダーさんも何か話してくれるかな?」

    ジェノサイダー「話すって何を?」

    九頭龍「おいおい、コイツの話なんか聞いて大丈夫なのかよ」

    七海「大丈夫、だと思うよ?」

    ジェノサイダー「だぁから、何の話なのよ」
  27. 27 : : 2014/04/08(火) 22:07:41
    七海「えっとね、それぞれの名前の季節にまつわる素敵なエピソードを聞かせてもらってたんだ。ジェノサイダーさんは、冬にまつわる話、何かない?」

    ジェノサイダー「もっちろん、ある!」

    大神「ふむ、ならば聞かせてもらえるか?」

    石丸「少々、聞くのが怖いがな……」

    ジェノサイダー「あれは雪のちらつく寒い冬の夜の事だったわ」

    九頭龍「出だしが全く同じじゃねえか」

    ジェノサイダー「黙って聞いてろ、このチビスケが!」

    九頭龍「チ……ッ! テメェ、もっぺん言ってみろ!」

    七海「く、九頭竜くん、落ち着いて、落ち着いて!」

    大神「ああ。男は身長ではない。気にしすぎるな」

    九頭龍「クソッ、味方は苗木の奴だけかよぉ!」
  28. 28 : : 2014/04/08(火) 22:08:04
    ジェノサイダー「まぁいいわ。続き話したげる。アタシは降り積もった雪を蹴っ散らしながら、爆走してたの。だって、彼ったら凄い勢いで逃げるんだもの」

    大神「……まさかとは思うが」

    ジェノサイダー「ま、結局は逃がさず殺っちゃったんだけどね! ゲラゲラゲラ! それがアタシの記念すべき十件目の殺人なのでした! ゲラゲラゲラ!」

    石丸「僕は何も聞いてない僕は何も聞いてない僕は何も聞いてない」

    九頭龍「おい、コイツヤベーんじゃねえのか? つか石丸も何壊れてやがんだ!」

    七海「なるほどね」

    九頭龍「七海も何を納得してんだよ!」

    七海「うん、みんなの話、参考になったよ」

    大神「ジェノサイダーの話は何の参考にもしない方がいいと思うが」
  29. 29 : : 2014/04/08(火) 22:09:32
    七海「これで春夏秋冬プログラムが完成したら、日向くんをデートに誘えるよ! みんな、協力してくれてありがとね?」

    九頭龍「な、お、おい待ちやがれ七海……! って、行っちまいやがった」

    ジェノサイダー「ゲラゲラゲラ! あ、ちーたん二号帰っちゃった! ゲラゲラゲラ!」

    大神「……日向は大丈夫なのか?」

    九頭龍「わかんねえよ……無事に生きて帰ってきてもらうのを祈るしかねえんじゃねえか?」

    大神「そう、だな。忠告だけはしておくか」

    石丸「僕は何も聞いてない僕は何も聞いてない僕は何も聞いてない」

    ジェノサイダー「ゲラゲラゲラ!」

    九頭龍「てか、おい! この場はどうやって収めりゃいいんだよおおおおお!?」
  30. 30 : : 2014/04/08(火) 22:09:55
    後日、日向がどうなったかは……ドウナッタンダロウネ


  31. 31 : : 2014/04/09(水) 11:01:55
    日向ェ…w
  32. 32 : : 2014/04/09(水) 18:21:30
    お疲れさまでした!面白かったです!
  33. 33 : : 2014/04/11(金) 20:52:19
    お疲れ様です(≧∇≦)

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