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  1. 1 : : 2014/04/04(金) 02:33:51
    現パロです。

    捏造CP、キャラ崩壊に気を付けて下さい。

    文章がおかしい所があれば教えて下さると嬉しいです。
  2. 2 : : 2014/04/04(金) 02:40:55
    序章 「美しき残酷な世界」

    俺には前世の記憶がある。

    正直言って気持ちのいいものじゃない。

    迫り来る巨人

    眼鏡を光らせてこっちに近付いて来るハンジさん

    ジャンじゃん↑↑

    昔は自分には前世の記憶があるとよく言っていた。

    でも、歳をとるにつれて気付いてしまった。

    この歳で前世の記憶がどうのこうの…と言うのは、ただ頭のおかしい人。

    あれは小さかったから許されただけなのだと。

    ……今まで

    前世で会った事のある人とは一度も会っていない。

    …元気にしているだろうか。

    ……巨人のことなんか、忘れて…
  3. 3 : : 2014/04/04(金) 02:54:58
    第1章 「何かが足りない」


    春ももうすぐ終わり、梅雨に差し掛かろうとする今日この頃…

    アニ・レオンハートは校門の前で友人を待っていた。

    アニ(……そういえば…昔は、氷の女とか言われてたね…懐かしい。)

    クリスタ「アニ~!!」

    校舎の方からクリスタが走ってくる。

    美少女っぷりは前世と変わらない。むしろ拍車がかかったと言っても良い位だ。

    その証拠に、クリスタがこちらに来るまでの間に何十人もの男が振り返ってその顔を見ようとした。

    今、目の前では息を整えながらもニコニコ笑っている。

    その笑顔には少し無理をしている感じもあるが、本人が良いなら良いのだろう。そこに突っ込むつもりはない。

    クリスタ「アニっ…ごめん……待たせ……ちゃっ、て……」

    まだ少し息が荒い。

    無理する必要はないというのに、何故彼女は無理をするのだろうか。

    アニ「…大丈夫だよ。…ん、帰ろうか。」

    するとクリスタが精一杯頷く。

    クリスタ「うん!」
  4. 4 : : 2014/04/04(金) 08:04:47
    期待
  5. 5 : : 2014/04/04(金) 09:03:39
    期待!!
  6. 6 : : 2014/04/04(金) 10:12:39
    >>4さん、>>5さん、ありがとうございます!

    拙い文章ですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。
  7. 7 : : 2014/04/04(金) 10:46:45
    ー帰り道ー


    クリスタ「あっ!」

    何かに気付いたのかクリスタが鞄の中に手を入れている。

    鞄の中身は教科書、ノート、筆箱などの文房具が入っているのだろう。時々本のページが捲れる音が聞こえる。

    まあ、寧ろ持っていなかったらそれはそれで問題なのだが。

    クリスタがようやく鞄から顔を上げた。

    お目当ての物が見つかったのかと思ったが、顔は青ざめており、小刻みに震えていることから、見つからなかったのだと分かった。

    クリスタ「どうしよう……宿題プリント忘れちゃった…」

    宿題プリント。そういえばあのハゲ(先生)が普段の量に5枚足したから……

    アニ「……10枚?」

    私の言葉を聞いた途端に、クリスタの顔がより一層青くなる。朝学校に着いてからじゃ、時間的に厳しいと思ったのだろう。

    クリスタ「……っ……ごめん…!取ってくる!」

    そう言い残して走って行ってしまった。

    待っていた方が良いだろうか。でも…もしかしたら迷惑なのかもしれない……

    「好きだ」

    急に後ろの方から声が聞こえた。……告白だろうか。少し興味がある。

    私はその辺りにあった電柱の影に隠れて、声のする方を見つめた。

    ミカサ「ごめんなさい。生理的に無理」

    私は驚いて目を見開いた。断り方酷くない?というわけではない。

    いた。

    104期の首席ともあろうお方が、いた。

    アニ(というか告白した相手は……)

    私がミカサの先を見つめると、これまた見慣れた馬面があった。

    正直またあんた!?と叫んでやりたいが、記憶が無かったとしたら私はただの変な人だ。

    アニ(それにしても、二人も見つけるなんて……)

    ジャン「えっと………あの………」

    ミカサ「私は今忙しい。失礼する。」

    相変わらず語源力は皆無だが、前世に比べて足が少々遅くなっている。

    アニ(……まあ、当然か。)

    私達は今はもう【兵士】ではない。

    いつ死ぬのかわからない状況に置かれているわけでもない。

    …事故とかは別として。

    鍛える必要なんて、無いんだった……

    ふとジャンのいた方を見ると、漫画のように石になっていた。まさかリアルに石になっている人に会えるとは……


    それは、気まぐれだった。

    なんだか少し可哀想だな、と思った。

    だから、彼の方へと歩み寄り、後ろから声をかけた。

    アニ「ねえ。」
  8. 8 : : 2014/04/04(金) 11:03:09
    私が話しかけると、ジャンは肩を揺らし、こちらを向いた。

    ジャン「………何だよ」

    顔を少し赤くして、気まずそうな顔をしていた。見られていた事が余程恥ずかしいのだろう。

    アニ「あの、さ……さっきの……その、見ちゃって…」

    できるだけ傷つけないようにしなくては。こいつは確かガラスハートだったはずだ。

    アニ「……元気、出してね…」

    その途端、ジャンが顔を茹で蛸の様に真っ赤にした。慰め方間違えたかな……

    いっそのこと、しょげないでよベイベー!とか言ってあげた方が良かったのでは……

    ジャン「…っ」

    よし、もうこの場から立ち去ろう。私は何も関係ありません。

    アニ「それじゃ」

    軽くそう言っておいて、クリスタと居た所に向かおうとした。

    が、ジャンが私に対してあの台詞を言った。

    ジャン「…そのっ…!…綺麗な、金髪だ…!」

    どうやら決まり文句はまだ変わらないらしい。思わず笑みが溢れる。

    アニ「…ありがと」

    ジャン「……っ…!」

    耳を澄ますと、遠くから私を呼ぶクリスタの声が聞こえてきた。

    いつの間にか戻って来ていたらしい。

    ねえ、ジャン。もしまた会えたなら、そこの店でクレープ買ってくれる?

    なんて、頭の中でこっそり唱えてみる。

    君には、伝わらないだろうけど。
  9. 9 : : 2014/04/04(金) 11:26:53
    ー次の日ー


    昨日、クリスタはちゃんとプリントをやって来れたので機嫌が良い。

    ふんふん、と鼻歌まで歌っている。その仕草さえ可愛くて仕方ない。

    クリスタ「アニっ!あのね!」

    笑顔で私に話しかけて来る姿は、前世とあまり変わらない。変わったこと、と言えば、関係だろうか。

    私とクリスタは小学生の時に同じクラスになった。クリスタは迷わず私の方に来たので、記憶があるのかと思った。だが、違った。

    クリスタには、記憶が無かった。なんとなく感覚で私の所へと来たらしい。

    それからは、よく話すようになって、遊んだりもして、気づけば仲良くなっていた。

    クリスタ「あ、アニっ!危ない!」

    アニ「え?」

    前世がどうのこうのと考えていたせいか、意識がとんでいた。前を見るがもう遅い。目の前にいた相手とぶつかってしまった。

    「いてて……あの…大丈夫?」

    耳に響く中性的な声、彼の持っていたプリントが落ちたことなど最早どうでもいい。

    勢いよく顔を上げると、声に合った中性的な容姿が目に入る。

    アルミン。

    前世で私のことを優しいと言っていた人。

    でも、最後には裏切った。

    私が巨人だったから。

    アニ「……っ…!」

    思わずアルミンの顔を凝視する。それに気づいたのか、先程までプリントを集めていた彼が私の顔を見た。

    アルミン「…あの…僕の顔に……何か…付いてる…?」

    心配そうに眉を下げてそう聞いてくる。……どうしようか。

    1、「あ、こんな所に蚊がー(棒)」と言って頬に平手打ちをする。

    2、「ハーイ!私ジェシカ!頬に蚊がとまってるよ!」と言って平手打ちをする。

    3、足技からの平手打ちをする。

    4、カシューナッツを投げてから平手打ちをする。

    5、平手打ちをして走って逃げる。もしまた会ったら平手打ちをする。

    アニ(…………………)
  10. 10 : : 2014/04/04(金) 13:05:50
    やっぱり3…?いや、5かな…

    アルミン「あ、ごめん!僕先生から用事頼まれてて…!先に行くね!本当にごめん!」

    逃げやがったアイツ。…仕方ない。次会ったら平手打ちしてやろう。ジャンでもいいかな。あいつM属性っぽいし。

    ※アニの勘違いです

    クリスタ「アニ!大丈夫!?」

    クリスタが心配そうに眉を下げてハンカチと絆創膏を私に差し出してくる。すりむいてないから大丈夫なのに。

    アニ「大丈夫だよ。」

    クリスタ「良かった…」

    安心したようにクリスタがハンカチと絆創膏を仕舞う。

    クリスタ「あ、ねえアニ。今日もあの話してくれる?」

    あの話。

    それは、前世の話だ。

    巨人がいて、私もそれだったこと。

    クリスタは死にたがりだったこと

    なんせ私は初対面の時に記憶あるの!?と聞いてしまったのだ。誤魔化せるわけがない。

    今日は何を話そうか。

    ん、まだ言っていない事があったな。

    アニ「じゃあ、今日はアンタに生きる希望を教えてくれた人の話をするよ。」
  11. 11 : : 2014/04/04(金) 15:53:35
    言うのを忘れていましたが、【クリスタ「死にたい…」】のネタ少々入ってきます。
  12. 12 : : 2014/04/04(金) 16:09:35








    ペトラ「ただいま~」

    アルミン「あ、お姉ちゃんおかえりなさい!」

    家に帰ると弟がエプロンを着けて待っている、というのは日常茶飯事。正直弟の方が女子力高かったり……いや、それはない。

    玄関先で靴を揃えてリビングへ向かうと、甘い香りが鼻孔をくすぐる。何か作っていたのだろう。

    アルミン「あ、お姉ちゃん!今日は紅茶のシフォンケーキ作ったんだよ!食べて!」

    前言撤回。笑顔でそう言ってくる弟は私より遥かに女子力高いです。はい。

    アルミン「ていうかお姉ちゃん今日機嫌良さそうだね。彼氏さんと何かあった?」

    ペトラ「っ…!?…な、何言ってるの!?」

    アルミン「あ、図星なんだ。」

    はい、確かにしましたよ。デートの約束。顔に出ないようにしてたのに……

    ……そう言えば、人の心情読みとるの得意だったなこの子…

    アルミン「今度僕も彼氏さんに会いたいな~」

    ティーカップに紅茶を注ぎながらこっちに笑顔を向けてくる。

    ……私をブラコンにさせる気か。

    ペトラ「良いけど…顔が怖いかもしれないよ?泣かないでね~」

    アルミン「…ぇ?……って!泣かないよ!」

    さっきの仕返しに少しからかうだけのつもりが、予想以上の反応をしてくる。

    アルミン「……いいなあ…幸せそうで。僕も恋人作りたいなあ……」

    ペトラ「アルミンの彼氏か~…アルミンを泣かせたら許さないって言っといて」

    隣でアルミンが紅茶を噴いた。おう…机がびちゃびちゃに……

    アルミン「な、なな!何言ってるの!?彼氏って!?僕は男だよ!」

    …あ。そういえば男だった。忘れてしまうとは…姉として失格だ。
  13. 13 : : 2014/04/04(金) 16:46:46
    かわいい
  14. 14 : : 2014/04/04(金) 17:03:11
    アルミンがせっせと机を拭くのを見ながら紅茶をすする。

    私はブラコンじゃないはず。

    ペトラ「ふふっ、冗談だって。…で、どんな女の子が好きなの?」

    アルミン「っ…!?……あ、…えっと………僕の事を、心から愛してくれる人、かな」

    ペトラ「結婚した」

    アルミン「ふあっ!?」

    危ない。あまりの可愛さに求婚してしまっていた。

    エレンの嘘つき。可愛い顔してる、って言ってたけど、正しくは結婚したくなる可愛さじゃない。

    アルミンがまた紅茶を注ぎ直している。なんだか兎っぽい…と思ったのは秘密だ。

    私はブラコンかもしれない。

    アルミン「あ、お姉ちゃん。」

    ペトラ「ん?」

    アルミン「……調査兵団って…何か分かる?」

    ぴた、と動きが止まる。

    今、アルミンは何と言った?

    調査兵団。

    ペトラ「……どう、して…」

    出来るだけ平静を保とうとするものの、カップが小刻みに揺れる。

    アルミン「あのね、今日…お団子頭の女の子とぶつかったんだ。」

    アルミン「その子を見た途端、懐かしさが込み上げてきて…」

    アルミン「…………気づいたら…絵を描いてた。ワイヤーを使って…空を飛んでる人の絵。………スケッチブックの端には、調査兵団って…あって…。」

    アルミン「お姉ちゃんなら、分かるかなっ、て……」

    覚えている。ほんの少しだが、アルミンは前世の記憶を覚えている。

    頬に温かいものが伝う。初めは紅茶と思ったが、違う。

    頬を拭うと色が着いていないことから、これが何か分かった。



    きっと、お湯だね!


    嘘です。涙です。

    アルミン「お姉ちゃん、大丈夫…?」

    ペトラ「大、丈夫……」

    アルミン「具合悪いんじゃない…?早めに休んだ方が……」

    アルミンが私を心配してくれる。………のは、嬉しいんだけど…慌てすぎて雑巾を私の頭の上に乗せようとしてきたので止めた。

    ブラコンで何が悪い。



    ペトラは体から少量の水分を失った!

    ブラコンスキルを手に入れた!
  15. 15 : : 2014/04/04(金) 17:05:35
    >>13さん、ありがとうございます!

    生まれ変わったので殺伐とした雰囲気は無くして、可愛さを強調させた作品となると思います。
  16. 16 : : 2014/04/04(金) 18:21:18
    期待!!
  17. 17 : : 2014/04/06(日) 23:05:39
    >>16さん、ありがとうございます!

    もうすぐ学校始まるので更新する速度遅くなりますが、できるだけ土日は投稿できるよう頑張ります。
  18. 18 : : 2014/04/07(月) 00:08:48







    ミーナ「今日も見つからなかったね……」

    隣ではミーナが机に突っ伏して唸り声をあげている。

    時々立ち上がっては図書室の本棚から恋愛小説を一冊取り出して挿し絵だけを楽しんでいた。

    マルコ「…ミーナ…探す気はある?あと小説もしっかり読んでね。挿し絵だけは駄目だよ。」

    ミーナ「だって……」

    ミーナが何か言い訳をしようとするが、そんなことさせる気はない。

    何故なら僕達は今、前世であった人を探している最中なのだから。

    マルコ「僕だって本読みたいけど我慢してるんだよ。兎に角ミーナは本を読まずに頭働かせて。」

    ミーナ「……うん…」

    少し不服そうな感じだが、一応やる気はあるみたいだ。

    マルコ「……実は生まれ変わった時代が違うとかもあるのかな?」

    僕は頭に浮かんだことをミーナにすぐ話す。その度にミーナは相槌を打ったりしている。

    だが、今回は少々違った。

    ミーナ「生まれ変わったの私達だけ……とか、ないよね?」

    マルコ「………………」

    ミーナの顔が青ざめている。まともに考えを提示したのは初めての事で、少し困惑してしまう。

    マルコ「……もう、帰ろっか。」

    生まれ変わったのは自分達だけかもしれない、そう考えるのが段々怖くなり、話題を逸らした。

    ミーナ「…………分かった。」

    僕が無理矢理話題を逸らした理由が分かったのか、ミーナはやけに素直に頷いて僕の後を追う。

    マルコ「………もう、探すだけ無駄なのかな…」

    ぽつり、とミーナにも聞こえない位の声で呟いたその言葉に気づく人はいなかった。



    ー帰り道ー


    幸いにも今の僕達は『幼馴染み』という関係にあり、帰り道は同じだった。

    この時間は昨日までなら前世の事について話していたが、今日は少し気まずい雰囲気が僕達の間にあり、二人共無言のままうつ向いていた。

    「おばちゃん!これ下さい!」

    駄菓子屋の前に来たときだった。聞き覚えのある声が店内に響き渡っている。

    ミーナ「……今のって、」

    マルコ「…勘違い、じゃないといいけど。」

    勘違い、口ではそう言ったが、絶対あれは彼女だと分かった。

    入団式の日に蒸かした芋を食べていた彼女。

    サシャ・ブラウス。

    丁度駄菓子屋から人が出て来た。両手にギリギリ収まる位の量の駄菓子を抱え、満足そうに微笑んでいる。

    僕とミーナは思わず彼女の名を呼んだ。

    『サシャ!』

    するとサシャは驚いたようにこちらを見た。

    サシャ「…ミーナ…と、マル、コ…?」

    みるみるうちに彼女の目に涙が浮かぶ。

    ……やっと、会えた。待ち望んでいた人物に会えた。

    ミーナ「サシャ…久しぶりっ…!」

    ミーナも泣き出して、通行人は何事か、とこちらに目をやる。とりあえず久々に再開した幼馴染み、という嘘の設定を教えておいた。

    サシャ「……なんでっ…なんで先に逝っちゃったんですかあ……髪の毛、…結んでくれるって……言ったじゃないですか…」

    ミーナ「……ごめんね…ごめんね…」

    何はともあれ、生まれ変わった人物はいる、ということが証明された。

    それだけで僕は幸せだ。




    5月28日 天気:晴れ

    今日は昔の仲間に出会った。

    正直もう無理か…と諦めかけていたので、彼女に会えて嬉しかった。

    この調子で、あの人にも会えるかな…

    本当は優しいのに素直じゃない、少し馬っぽい容姿をした親友に。


    本日のマルコ・ボットの日記にはそう綴られていた。
  19. 19 : : 2014/04/27(日) 15:35:09
    何これ、めっちゃいい話じゃん!!!!
    ペトラーーーーっ!!!!!!!!!
    もしかしてリヴァペトかな★
    期待(*^^*)
  20. 20 : : 2014/05/05(月) 09:43:10
    >>19さん、ありがとうございます!

    最近部活が忙しくてしばらく更新出来ませんでした!!ごめんなさい!
  21. 21 : : 2014/05/05(月) 10:08:35








    ユミル「なあ、ライナーさんよ、」

    ライナー「どうした?」

    ユミル「なんで私達は兄妹なんだろうな。」

    ユミルは心底嫌そうな表情を浮かべる。……きっとクリスタと姉妹が良かった、等と思っているのだろう。

    俺も他人の事は言えないがな。

    ライナー「とりあえずライナーさんって呼び方はやめろ。」

    正直前みたいにライナーとでも呼んでくれた方が何倍もましだ。

    ユミル「なあ、ブラウンさん…」

    ライナー「おい、俺らはあくまで兄妹なんだぞ?その他人みたいな呼び方もやめろ。」

    ユミル「お兄ちゃん?」

    わざと声を高くして地味に上目遣いになっているが、その大人びた外見のせいで違和感しか感じない。

    ライナー「クリスタだったら良かったのにな。」

    ユミル「正確にはヒストリアだが…私もそうだったら良いな、とは思う。」

    しん、と部屋が静まりかえる。そうか、そんなに俺と同じ思考をしているのは嫌だったのか。

    ユミル「あ~…一体ヒストリアはどこにいるんだよ…」

    さっきまでのことを誤魔化すかのようにユミルが呟く。

    ……ベルトルトやアニは元気にしているだろうか。

    俺のように記憶持ちだったとしても、良いことはない。二人共覚えてないことを祈ろう。

    ユミル「っと…もうこんな時間か。」

    ふと時計を見ると針は0時を指している。

    明日も学校があるというのにこれでは居眠りしてしまうかもしれない。

    怒られて成績が下がるのはどうしても避けたい。

    ライナー「……寝るか。」

    ユミル「…おう」

    それを合図に、二人共部屋に戻って布団に飛び込んだ。
  22. 22 : : 2014/05/14(水) 18:27:28
    期待!!はよ続き
  23. 23 : : 2014/05/14(水) 18:35:51
    きゃー続き楽しみー
    ペトラー
  24. 24 : : 2014/06/13(金) 21:50:16
    すいません!中間や期末の勉強や部活で一ヶ月来れませんでした!今から続き書きます!
  25. 25 : : 2014/06/13(金) 22:15:50










    今日は少し暑い。僕の友達はどうも暑さは感じないようだが、普通なら汗を掻くだろう。

    ベルトルト「まだかな……」

    学生鞄の持ち手をしっかりと握り、溜め息を溢す。

    ちょうどその時、僕の幼馴染みが向こうから走って来ていた。

    ミカサ「ごめんなさい。少し帰る用意が遅れた。」

    そう言って、幼馴染ことミカサはタートルネックの首もとの部分を口の辺りに持ってくる。

    これは彼女が嘘を吐いた時にする仕草だと知っている。大方またあの馬っぽい顔の男子に告白されたのだな、と思う。

    ベルトルト「大丈夫だよ。そんなに待ってないし。…それよりミカサ、タートルネック暑くないの?」

    ミカサ「大丈夫、暑くない。……それに、私は首もとに何か無いと落ち着かない。ので、これが良い。」

    ベルトルト「へえ、そうなんだ……」

    ふ、と彼女の首に巻くものはこれじゃない。そう感じた。

    ベルトルト「……ミカサは、さ…タートルネック好き?」

    ミカサは少し驚くような表情(あまり変化はない)をして、口を開く。

    ミカサ「好きか嫌いかと問われれば…好きな方だと思う。……でも、何か違う気がするのは何故だろうか。」

    ミカサは小首をかしげ、上目遣い(必然的に)で僕を見つめてくる。その姿は愛らしく、男子がミカサに言い寄るのも分かる気がした。

    でも、あと少し足りない。もう少し身長が高かったら、髪を一つに結っていたら、そして……


    「ベルトルさん」って呼んでくれたら?


    時々、分からなくなる。ミカサのことは勿論好きなはずなのに、何か違う気がしてならない。

    ミカサ「ベルトルト?」

    嗚呼、やめてくれ。そんな純粋な目で僕を見ないでほしい。僕は最低な人間なんだ。君と、他の女性とを比べてしまった。…そして、


    巨人ということを隠して、君達と過ごしていた。


    ベルトルト「…っ……!?」

    ミカサ「ベルトルトっ!」

    ミカサが必死に叫ぶ中、僕は意識が遠のいていくのを感じた。
  26. 26 : : 2014/06/13(金) 22:38:32







    ……あいつは…そう、少し鈍くさいけど、頭は飛び抜けて良い奴だったよ。

    いつも幼馴染の二人といるかと思えば、結構周りに色んな友達がいたからいつも誰かと一緒にいた。

    そういえば、アンタに見た目が似てるって訓練兵時代に言われてたね。ま、アンタと同じ金髪碧眼だったのもあるけど。

    そして、アンタを、救ってくれた人。アンタはアルミンの事を、まるで絵本の王子様みたいって言ってたよ。

    それから先?……さあ、分からない。

    私?別に死んだりしてないよ。

    ただ、目的を果たすために、アンタ等を、


    私は、裏切った。







    クリスタ「………え?」

    アニ「…ごめんなさい…私は、裏切り者……なんだ。………弱い人間なんだ……」

    クリスタは、最初は楽しそうに聞いていたが、最後の方になって顔色が変わってきた。

    嗚呼、きっと呆れられる。そう思っていたのだが、クリスタは優しく微笑み、私を抱き寄せた。

    アニ「……?」

    クリスタ「……謝らないで、アニ。貴女にも事情があったんでしょう?私は責めたりなんかしないから、安心して?」

    いつもと変わらぬ優しい声。……嗚呼、だから彼女は……

    アニ「クリスタ…ありがとう……」

    ねえ、お父さん。私は、こんなに良い友達を持って、幸せ者だね。

    前世であんなことやらかしておいて、こんなに良い人生が歩めると思ってなかった。

    アニ「っ………うああっ……」

    涙が零れる。クリスタ、アンタはやっぱり……

    いつまでも、皆の神様だよ。
  27. 27 : : 2014/06/13(金) 23:00:17





    次の日

    アルミン「コニー?聞いてる?」

    コニー「うおっ!?」

    俺の目の前では、アルミンがBなんたら液が中性で青色だのなんだの難しいことを言っていて、正直考えることを放棄していた。

    アルミン「もう…勉強教えてって言ったのは君じゃないか…」

    アルミンが少し頬を膨らませ、睨んで(少なくとも本人は睨んでいるつもり)くる。

    コニー「いや、さっぱり分かんねえな」

    正直俺はどこが分からないのかすらもわかっていなかった。これを頭が悪いって言うんだろう。俺は天才だからそのくらい分かる。

    アルミン「まあ、君にピッタリな参考書買ってきたから、これで勉強しなよ?」

    アルミンが鞄に手を入れ一冊の本を取り出す。

    そこで俺は「いわかん」というものを感じた。ぽんかんの親戚だ。なんせ俺は天才だからな!そのくらい分かるぞ!!

    まあ、そこはいいとして、参考書に書いてある文字が可笑しいのだ。

    コニー「しょうがくにねんせいのさんすう?」

    どう見ても「猿でも分かる!小学校二年生算数」と表紙には書いてあった。

    コニー「さるも掛け算できるのか?すげーなー。」

    アルミン「少し黙っててくれ、馬鹿。」

    この台詞には聞き覚えがある。アイツがよく俺に言ってきたことだ。

    コニー「アルミン、何ユミルの真似してんだよ!」

    笑いながらアルミンの背中を叩くが、どうも様子が可笑しい。

    コニー「ん?」

    アルミン「あの…さ。」

    アルミンが少し困ったような顔をして俺を見上げてくる。俺が立っているから見上げるしかないのだ。そのくらい分かる、俺は天才だからな!

    アルミン「ユミルって…誰?」

    俺が聞いたのは、予想外な台詞だった。
  28. 28 : : 2016/08/17(水) 22:43:48
    えええええええええ
    完結してねえのかよおおおおおおおおおお
  29. 29 : : 2016/08/17(水) 22:44:05
    続き気になるううううう

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