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二人の距離

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  1. 1 : : 2014/03/03(月) 22:17:47
    最近趣味でSSを書き始めた者です
    書きはじめてから二ヶ月くらい経ちますが、文章がうまく書けません
    誤字脱字も多いと思います
    アドバイスとかあったら嬉しいです
  2. 2 : : 2014/03/03(月) 22:49:03
    エレンside

    勝てない
    なんなんだ、こいつ
    強すぎる
    今は長かった夏休みが終わりかけの日の夜
    俺はスマホの中の相手と戦っていた
    夏休みに入って一週間で宿題を終わらせ、暇だった俺がダウンロードしたアプリがこの『オンライン 将棋』
    将棋が好きで、暇さえあれば将棋の本を読んだりしている俺にぴったりのアプリだった
    だが、俺は、将棋は向き合ってするもの、という印象がプロの将棋を見て、感じているためか、このアプリを見てもダウンロードする気になれなかった
    それでもダウンロードしたのは暇すぎたからだろう
    いつもなら幼馴染みであるアルミンと将棋をしているが、予定が噛み合わない日が多く、最近はしていない
  3. 3 : : 2014/03/03(月) 23:11:32
    始めたとき、俺は勝ちまくっていた
    対局する相手がいなくなるほどに
    そんなとき、俺に対局を申し込んでくるやつがいた
    ユーザーネームは、Nia
    ちなみに俺のユーザーネームは、E
    考えるのがめんどくさくて、適当につけた
    とにかく、そのNiaってやつは今までの相手とは段違いに強かった
    こいつの将棋は、俺と全く同じタイプだった
    居飛車(飛車を最初の位置から動かさない状態)で、とにかく強引な攻め将棋
    同じタイプでも、実力は俺とも全く違い、結果惨敗
    それからはしつこいと思ったが、Niaって名前を見つけるたびに何度も挑戦した
    それから二十日ほど経って一回も勝てていないまま今に至る
    そして今、Niaと将棋をしている
    最初は勝つつもりでやっていたが、勝つのはもうあきらめた
    今はNiaから学ぶためにやっている
    俺は、将棋を始めてから棒銀(戦法)しかしてない
    棒銀で誰にも負けないために、負けた将棋から勝ちを見い出している
    だがこいつとの対局をいくら振り返っても、勝てない
  4. 4 : : 2014/03/04(火) 02:05:01
    僕の趣味である将棋を結構話に出すんですが、将棋を全く知らない人でもできるだけ分かりやすいように書いていきたいと思います
    この言葉どういう意味?っていうのも聞いてくれれば答えます
  5. 5 : : 2014/03/04(火) 02:19:57
    翌日

    通ってる学校の図書室に来た
    あいつは強すぎる
    一から将棋の勉強し直そう
    てことで本を借りにきた

    将棋の本の本棚の方に行くと、すでに先客がいた
    本棚の上の方に本を取ろうとしてるが、背が小さいため手が届いてない
    近づくと俺の方をチラッと見て、何事もなかったかのように他の本を探していた
    かなり小さい女子生徒が取ろうとしていた本を見ると、こいつもまた居飛車の戦法の本だ
    背が小さいし、多分中一だ
    まさか中三なんてことはないだろう
    たった二年しか変わらないが、将棋が好き(と思われる)女子生徒がいて良かった
  6. 6 : : 2014/03/04(火) 02:50:07
    それが例え振り飛車(飛車をもといた位置とはちがうところに動かすこと)の本でも取っていていたが、俺はこの本を女子生徒に渡すことにした
    本当は俺が読みたいぐらいの本だが、先に見つきたのはこの人だ

    エレン「はい、これ」

    そう言って本を渡す

    「…」

    無言
    まあ、知らないやつから急に話しかけられて本渡されても困るだろう

    エレン「いや、さっきこの本取ろうとしてただろ?」

    「…どうも」

    納得したのか女子生徒が本を受けとった
    他にも借りたい本があるのか、まだカウンターに行って借りないようだ

    エレン「お前も将棋が好きなんだな」

    特に意味もないが話しかける

    「別に…父に教えられた下らない遊び」

    女子生徒の持っている本を見ると、内容が難しそうな題名の本がある

    エレン「中一なのに勉強熱心だな」

    「…」

    また無言
    俺なんか悪いこと言ったか?

    エレン「中一だよな?」

    「私は中三だよ。あんたと同じでね」

    嘘だ
    俺のもう一人の幼馴染みは、俺と同じぐらいあるし、クラスの女子だってこいつよりはもっと背が高い

    エレン「いや、嘘だろ。小さいし」

    「…なら証明しよう」

    手に持っていた本を床に置く
    なんだ?生徒手帳か?名札か?
    夏休みの学校に持ってくるなんて真面目だな
    俺はいつも持ってないけど
    あ、名札はいつもつけてるか
    今日はつけてないけどな

    などと考えてたら、足に鋭い痛み
    その次の瞬間には宙で一回転し、頭を打つ

    「中一の女子にこれはできないでしょ」

    そう言って、床に置いていた本を持って本を借りに行った(多分)

    あいつ、嘘ついてなかったんだな…
    痛みで床から起き上がれない俺は、窓から見えるきれいな空を見ながらしみじみと思った
    あ、それとここの本棚人気なくてよかった

    これがあいつと俺の出会いだ
  7. 7 : : 2014/03/04(火) 17:01:40
    アニside

    嫌なやつ
    確かに私は背が低い
    だけど何年生かも聞かずに一年と決めつけるのは間違ってる
  8. 8 : : 2014/03/04(火) 17:37:32
    蹴ったのは悪かったかもしれない
    もしまた会うことがあるがあって、あっちから謝ってきたら謝ってやってもいい

    プルルル

    電話がなる
    幼馴染みのライナーだ
    ライナーが電話をかけてくるのは珍しい

    アニ「なに?」

    もしもし、とも言わず単刀直入に電話をかけてきた訳を聞く

    ライナー「もしもしぐらい言った方がいいと思うぞ」

    学校でもみんなの兄貴分でもあるライナーは、たまに諭すようなことを言う

    アニ「…もしもし。で、なんか用?」

    ライナー「お前今日暇か?」

    アニ「もしかしてデートの誘い?それなら断るよ」

    ライナー「そんなわけないだろ?俺はクリスタ一筋だ」

    こいつはクリスタが好きだ

    アニ「分かってるよ。で、私が今日暇なら何?」

    ライナー「なんかあったのか?」

    いつもならそんなに気にならない暑さが、さっきの図書館の出来事もあって余計にイライラする
    それによって自分では気づかなかったのか、いつもより口調がキツくなったのだろうか

    アニ「…別に」

    ライナーに話したところで意味もない

    ライナー「…そうか」

    アニ「用があるなら早く言いな」

    ライナー「お、おう。今日公民館で将棋する予定なんだが、お前もどうだ?」

    今、私は学校にいる
    公民館はここから自転車で三分
    すぐにするなら、行ってもいい
    いつもなら行かない
    でも今日はイライラしていて、勝ってスカッとしたい気分だから特別だ

    アニ「それって何時から?」

    ライナー「一時だ」

    あと二十分

    アニ「それならいいよ。あんたとベルトルトだけ?」

    ライナー「おう。他に将棋ができるやつがいて、エレンってやつと、アルミンってやつだ」

    テストのランキングで見たことがある名前だ
    実際に話したことはないが
    でも今の私には関係ない

    アニ「 できる だけの人たちには用はないよ」

    ライナー「いや、大丈夫だ。なかなか強い。エレンってやつは特に」

    アニ「それならいいよ」

    ライナー「でも、エレンは来るか分からん。今から電話するからな」

    アニ「ふーん。まあ来なくても構わないけどね」

    ライナー「わかった。じゃあ一時に」

    アニ「じゃあね」

    ライナーとベルトルトはかなりの将棋好きだ
    私も好きだが、あいつらほどではない
    誰にも言ったことはないが、父親は昔真剣師(お金を賭けて将棋を指すのを生業としている人)だった
    今は普通に働いているが
    とにかく、私は父親の影響で将棋を指すようになった
  9. 9 : : 2014/03/04(火) 19:11:15
    公民館に着き、自販機でジュースを買って中に入る
    学校の図書館よりは涼しい

    それからしばらくしてからライナーとベルトルトが来た

    ライナー「お、アニ。早いな」

    アニ「まあね」

    ライナー「エレンとアルミンには電話したんだが、二人とも来れるってよ」

    アニ「ふーん。まあとにかく一局指そうよ」

    ライナー「分かった。ベルトルト、どっちが先にアニと指す?」

    ベルトルト「僕が先にアニと指さしてもらうよ。僕がこの中でいちばん弱いからね」

    ライナー「そうでもないだろ」

    アニ「いいからさっさと指そうよ」

    ライナー「アニ、どうしたんだ?なんかあったのか?」

    アニ「ライナーに言っても意味がないでしょ」

    ライナー「まあ、そうだが」

    ベルトルト「じゃあじゃんけんで決めようか。先手と後手」

    普通の将棋盤なら、振り駒(五枚の歩を振って、歩が多く出たら、振った側の先手、裏の と が多く出たら、振った側ではない方が先手になる)で決めるんだが、残念ながらライナーが持ってきたのは百均で売ってる315円の磁石の将棋盤
    利点といえば、軽くてコンパクトなため、持ち運びが簡単な点だけだろう
    別にじゃんけんでもいいが、やっぱり振り駒で決めた方がそれっぽくていい

    アニ「ライナー、今度から普通の将棋盤持ってきてよね」

    ライナー「別に百均のでも問題ないと思うんだが」

    じゃんけんの結果、私が先手

    ライナー「どちらにしろ居飛車だろ?アニは」

    アニ「まあね」

    私は生粋の居飛車党だ
    そして、今までライナーとベルトルトに負けたことはない
    いや、父以外負けた相手はいない

    初手、いつも通り飛車先の歩をつく
    ベルトルトは角道を開けてきた

    そこからいつものパターン(棒銀)で攻める
    ここまでは普通に受けられる
    持ち駒にした銀と歩を使ってどう攻めるか
    まず考えられるの端攻め
    そして、ベルトルトの陣形の乱れているところを突き、かなり傷口が開いたところで攻めまくる
    そこから延々と攻め続け、ついにベルトルトが「負けました」と言った

    ベルトルト「やっぱりアニは強いね」

    時計を見ると、まだ五分もたってない

    ライナー「ああ。いくら居飛車対策の本を読んでも勝てない」

    アニ「あんたらが陣形に隙作るからでしょ」

    ライナー「隙なんてないように見えたんだがな。まあ、いい。次は俺だ」

    そのとき、公民館の自動ドアが開く
    私と同じ金髪で、女のような顔をしたやつだ
    …背も私より少し高いくらい

    アルミン「遅くなったね」

    ライナー「気にするな。あ、アニ、こいつはアルミンだ」

    アニ「よろしく」

    アルミン「よろしくね。エレンはまだ?」

    ライナー「まだだ。そういえば足が痛くて遅くなるかもって言ってたな」

    アルミン「何があったんだろう」

    ライナー「まあいいだろ。アルミン、見ろよ。この場面」

    と言って、私とベルトルトが指した将棋盤を見せた

    アルミン「うわっ。すごいね。一方的に攻められてるじゃないか。エレンと将棋とそっくり」

    ライナー「だろ?俺とベルトルトは今までアニに一回も勝ててないんだ」

    アルミン「そんなに強いんだ」

    アルミンが私を見てくる

    アニ「エレンってやつも攻め将棋なのかい?」

    アルミン「うん。何度受けられても、攻め続けるんだ」

    ふーん
    私と全部同じだね

    アルミン「そうだ。念のためにと思って将棋盤持ってきたんだ。これでみんな指せるよ」

    ライナー「おお、さすがアルミン」

    アルミン「そんなことないよ」

    アルミンが何気に外を見た

    アルミン「あ、エレンが来たよ!」

    ライナーとベルトルトがアルミンが見た方向を見る
    つられて私も見てしまう
  10. 10 : : 2014/03/05(水) 01:14:53
    期待!
  11. 11 : : 2014/03/06(木) 12:25:52
    ありがとうございます
  12. 12 : : 2014/03/06(木) 13:00:08
    期待です
  13. 13 : : 2014/03/06(木) 13:11:10
    エレン「よお、アルミン、ベルトルト、ライナー。あ!お前はあのときのチビ!」

    やっぱり謝るのはやめよう

    アニ「あんたまた蹴られたいのかい?成長しないね、バカ」

    エレン「はぁ?成長しないのはお前の身長だろ?中三のくせに背低いし」

    アニ「また蹴られたいみたいだね」

    といって、バカに近づく

    ライナー「アニ!落ち着け!」

    アルミン「エレンも謝った方がいいよ!アニ怒ってるだろ?」

    ライナーに言われて、少し落ち着く
    そして再確認する
    このバカは嫌なやつだ

    エレン「ちょっと勘違いしただけで蹴られるんだぞ?しかもかなり痛かったし」

    そこそこ力入れて蹴ったから痛いのは当然

    アニ「ちょっと蹴られたくらいで騒ぐんじゃないよ」

    ベルトルト「まあ落ち着こうよ。二人とも。今日は将棋しにきたんだから」

    ほんとはもう帰りたい
    だけどここで帰ったら逃げたみたいに思われるから嫌だ

    エレン「そうだな」

    アルミン「じゃあ二つ盤があるから、一人観戦になるね」

    ベルトルト「じゃあ僕はさっきしたし、観戦するよ」

    ライナー「じゃ、じゃあ俺はアニとしようかな」

    アルミン「そ、そうだね。僕はエレンとしよう」

    私たちを心配してるんだろうか
    心配するべきは私ではなくこのバカでしょ

    エレン「いつもアルミンとしてるから今日は別のやつとしてぇ」

    こいつは鈍感だ
    バカで、鈍感

    ライナー「じゃあ俺がエレンと…」

    アニ「いや、私がこのバカとするよ」

    こいつにイライラさせられた
    だからこいつに勝ってスッキリする

    アルミン「それは…」

    エレン「やってやろうじゃねぇか」

    アルミンが言う前にこいつは答えた

  14. 14 : : 2014/03/06(木) 13:11:45
    ありがとうございます
  15. 15 : : 2014/03/06(木) 13:15:07
    エレンside

    このチビで嫌なやつに一泡ふかせてやる
    そう思って将棋盤の前に座る

    アニ「振り駒私がするよ」

    エレン「いいぞ」

    振り駒の結果、俺が先手

    初手、いつもどおり2六歩

  16. 16 : : 2014/03/06(木) 13:24:32
    全駒取りは友達を無くす
    という言葉を思い出す
    確かに全駒取るようなやつとは友達になりたくない
    俺は今まで全駒取りをくらったことがない
    でも今日くらった
    アニの将棋は、いつもアプリで戦ってるNiaと同じで、攻め将棋
    何度その対局を振り返っても勝ちを見つけれなかった

    全駒取りをアニにくらった
    あいつの将棋は俺の何倍も、何十倍も強い
    だが、俺が全駒取りをくらうとは

    はじめての全駒取りはエレンを変えた
    その日、エレンが家に帰って、アニとの将棋を思い出しながら部屋で布団に横たわって外を見ていると
    外にある建物、部屋にある机、将棋の本ばかりの本棚は箱に見えた
    そしてエレンは鏡にうつる自分自身も箱に見えるようになった
    エレンの見える世界は箱になった
  17. 17 : : 2014/03/06(木) 17:42:23
    お母さんが夕ごはんだよ、という声が聞こえた
    返事をしなかったらから寝てると思われたのだろうか
    ほっとかれた

    それからまたしばらくして、俺が見ている箱の世界の一部が変わった
    箱のラジオが本物のラジオに変わった
    なぜか、と考えたがわからなかった

    またしばらくして、俺はなぜラジオが本物になったか気づいた
    ラジオから流れている曲のせいだと
    俺は今まで音楽なんか聴いたことがなくて、ラジオから流れているのが、ロックか、レゲエとかJ POPとか、よく分からなかった
    はじめて聴く曲
    それでも聴いてみた
    そして、その曲を受け止めた瞬間
    その曲から血と肉が洪水のように出てきて、俺の中に入ってきた気がした
    俺が箱じゃなく本物の俺になるとき、世界が元に戻っていった

    すべてが元に戻ったとき、ラジオからその曲の名前を聴いた

    GReeeeNの『刹那』

    俺はそれを聴いた瞬間、近所のTSUTAYAまで走り、GReeeeNのアルバムをすべて買い、母さんがくれて、今までほとんど使っていなかったiPod nano 7世代にすべてのアルバムを入れた
  18. 18 : : 2014/03/07(金) 07:01:06
    期待!
  19. 19 : : 2014/03/07(金) 17:29:29
    ありがとうございます
  20. 20 : : 2014/03/07(金) 17:47:38
    長かった夏休みが明けて、二学期が始まった

    始業式が終わり、クラスのみんなは帰り始めた

    ミカサ「エレン。帰ろう」

    俺も雨降ってるし、早く帰りたい
    でもやることがある

    エレン「わりぃ。図書館に本返しに行かないといけないからアルミンと一緒に先帰っといてくれ」

    ミカサ「…分かった」

    廊下に出てミカサと別れ、図書館に向かって歩く

    歩き出してすぐのときにジャンに話しかけられた

    ジャン「よぉ、鈍感ハーレム野郎」

    俺は鈍感じゃないし、ハーレムもつくってないはず

    エレン「俺のどこが鈍感なんだよ!?ハーレムも作ってねぇし!」

    ジャンと話すと、つい喧嘩腰になってしまう

    ジャン「ほんと鈍感だな。まあこんな話しにきたんじゃねぇ」

    エレン「何の話だよ?」

    ジャン「もう少しで、体育文化総合祭があるだろ?」

    この学校は体育祭と文化祭を同時に行う
    そして体育祭の種目で点が高かったクラスが優勝する
    …ほんと一緒に文化祭とする意味ないな

    エレン「そうだな」

    ジャン「今年は種目がひとつ増えるんだってよ」

    エレン「何が増えるんだ?」

    ジャン「将棋だ」
  21. 21 : : 2014/03/07(金) 17:58:48
    エレン「マジかよ!?」

    ジャン「ああ。なんか校長が将棋好きらしいぞ。で、勝手に増やしたらしい」

    たしか、ザックレーって言ったっけな
    校長の名前

    エレン「で、内容はどんなのなんだ?」

    ジャン「詳しいことは知らん。だが、誰でもいいからクラス代表を一人決めて、トーナメントに出場する。ただ、このトーナメントに出るのも予選を勝ち抜く必要があるそうだ。お前、どうせ出るんだろ?」

    トーナメントと聞いて、俄然やる気が出る
    こういうのを待ってた

    エレン「出れるなら出るに決まってんだろ?」

    ジャン「そうか。まあ頑張れよ」

    と言ってジャンは帰っていった
    いつもと違って穏やかなジャンが少し気持ち悪く感じた
  22. 22 : : 2014/03/08(土) 18:19:11
    図書館は今日が雨だからか人が少なかった
    カウンターに行き、借りていた本を返し、図書館を出る
    廊下には全く人がいないため静かでなんとなく不気味だった
    こんな雨の日の歌といえばGReeeeNの『雨唄』だろ、と思い、頭の中に『雨唄』が流れ出す
    GReeeeNを知ったあの日から、ずっと音楽を聴いている
    もちろん勉強を怠っているわけではないが

    頭の中で流れる『雨唄 』がちょうど終わったときに、下駄箱についた
    靴を履き替えて、あらかじめ持ってきておいた傘を持つ
    外に出ると、結構雨が降っていた

    俺から少し離れたところに人がいた
    雨に濡れるのがよほど嫌なのか、完全に外に出ていない
    そのせいで誰か見えないのだが
  23. 23 : : 2014/03/10(月) 13:15:36
    期待!
  24. 24 : : 2014/03/13(木) 19:31:15
    支援!
  25. 25 : : 2014/03/14(金) 00:01:32
    ありがとうございます

    誰か 期待 と 支援 の違いを教えてくれたら嬉しいです
  26. 26 : : 2014/03/14(金) 00:18:25
    もしかしたら傘忘れたのかな
    と思い、誰か分からないがその人の近くに行く
    忘れてたら傘を貸そうと思う
    どうせ近いし

    エレン「傘忘れたのか?」

    アニ「なんであんたがここにいるんだい?」

    アニか
    なんだ、アニか

    エレン「図書室に寄ってたんだ。で、傘忘れたのか?」

    アニ「…忘れるわけないでしょ?」

    エレン「じゃあなんでここにいるんだ?」

    アニ「別にいいでしょ?どこにいようと人の勝手」

    エレン「まあな。じゃあいつ帰るんだよ」

    アニ「いつでもいいでしょ?」

    かわいくないやつ
    でもほっとけない

    エレン「傘忘れたんだろ?」

    アニ「忘れてない」

    エレン「じゃあどこに傘あるんだよ?」

    アニ「……」

    エレン「忘れたんだろ?なら途中まで送ってやるよ」

    アニ「は?なんであんたに送ってやられなきゃいけないの?」

    エレン「はぁ…」

    ほんとにかわいくない
    でもほっとけない
    昔から困ってるやつがいたら助けてしまう

    エレン「じゃあ送らせてくれないか?」

    アニ「…なんであんたに助けられなきゃいけないの?」

    エレン「お前困ってるやつがいても助けないのか?」

    アニ「助けるよ。自分に余裕があるときはね。でも私は困ってない」

    もう我慢の限界だ

    エレン「あぁ!ほんとかわいくねぇな!いいから行くぞ!」

    アニの腕をつかみ、傘を広げ、門に向かって歩き出す

    アニ「ちょっと!なにすんの?」

    腕をふりほどかれた
    そういやこいつめっちゃ強かったな…
    下手に話すと服が汚れる
    そして怒られる

    エレン「俺はお前がほっとけないんだ。家まで送らせてくれないか?」

    アニ「…分かった。送ってもらうよ」

    しぶしぶ折れた
    すぐ近くに雨宿りする場所はないからだろう
  27. 27 : : 2014/03/14(金) 00:33:21
    エレン「今年の体育文化総合祭の種目に将棋が増えるらしいぞ」

    今俺はアニを送っている

    アニ「へぇ…」

    エレン「出るんだろ?」

    アニ「出ないよ。めんどくさい」

    こいつに勝たなきゃ次に進めない

    エレン「出ねぇのか…面白くねぇな」

    アニ「それにあんたが出れるって決まったわけじゃないでしょ?」

    エレン「まあな」

    確かにそうだ
  28. 28 : : 2014/03/15(土) 18:45:25
    期待!
  29. 29 : : 2014/03/22(土) 09:59:18
    やっと追いついた。続き期待です!
  30. 30 : : 2014/03/25(火) 10:33:38
    ありがとうございます
  31. 31 : : 2014/03/25(火) 11:24:25
    時折アニが「こっち」と言いながら、角を曲がったりする以外、話題も無く黙々と歩き続ける
    いや、ひとつ言わなきゃいけないことがあるか

    エレン「なぁ、アニ」

    アニの方を見ずに話しかける

    アニ「何?」

    アニもこちらに顔も向けず答えた

    エレン「チビって言って悪かったな」

    アニは多分驚いたんだろう
    そんな顔で俺の顔を見た

    アニ「…あんたみたいな失礼なやつが謝るとは思わなかったよ」

    これには怒れない
    確かに俺は失礼だったと思う
    腹が立ってたせいもあるが

    アニ「…私も蹴って悪かったね」

    しばらくすると意外にもアニも謝った
    俺も驚いてアニの顔を見た
    特に変わった様子もなく普通に歩いている

    また話題が無くなり黙って歩く
    この空気が嫌で無理矢理しゃべる

    エレン「アニは何色が好きなんだ?」

    言ってから気づいた
    小学生か、俺は
    好きな色なんて

    アニ「は?」

    再び俺の顔を見たアニの目が、思いっきり俺の顔をバカにしているように見えた
    それでも答えてくれた

    アニ「白」

    エレン「なんでだ?」

    アニ「それが私の色だから」

    意味が分からん

    エレン「どういうことだ?」

    アニはめんどくさそうに答えた

    アニ「私は、何もない。好きなものも、嫌いなものも。好きな色もない。興味があるものも。夢もない。だから白。別にそんな自分が好きっていうわけじゃないよ」

    エレン「それは違うだろ」

    考える前に口が動いていた

    アニ「なんで?」

    エレン「アニは好きなものあるだろ?」

    アニ「将棋のこと言ってるならちがうよ。将棋なんて父親に教えられた下らない遊び事」

    エレン「俺はアニとほとんど話したこともないけど、お前はいつも周りがバカで仕方ないって顔してる。いつもつまんなさそうに見えた」

    アニ「そうだね。ほんとうにその通りだよ」

    エレン「そんなお前が生き生きしてるときがある。自分では気づいてないかもしれないけどな。今アニは将棋をくだらない遊びとか言ったけど、俺にはアニがそう思ってるようにはそう見えなかった。だから俺は、お前が嘘をつくのがヘタな奴だと思う」

    アニ「…意味分かんない。つまり私が将棋が好きで、嘘をつくのが下手なやつってこと?」

    エレン「そういうことだ」

    アニ「結局何が言いたかったの?」

    エレン「お前が自分のことを白だと思っても、きっと自分の中の色んな考え方とか色んなものが混ぜ合わさって、少し赤い白になったりしてると思うぞ。でも白でもなんでも、それはお前のだけの色だと思う。だから誇れよ。独特で個性的だってな」

    アニ「あんた、話長すぎ」

    慰めたいとか、説教したいとか自分でもわからない
    でも俺は、自分を白だと思ってるアニを少しでも変えることができればいいと思った
    …なぜアニを変えたいのかも分からない
  32. 32 : : 2014/03/25(火) 11:27:45
    珍しくGReeeeN以外の曲を聴きながら書いてみました
  33. 33 : : 2014/04/07(月) 21:51:51
    将棋はあまりわかりませんがエレアニ好きなんで期待です!

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