ssnote

x

新規登録する

このスレッドの編集には編集パスワードが必要です。

表示するレスにはチェックしを、表示しないレスはチェックを外してください。

▼一番下へ

  1. 1 : : 2014/02/23(日) 22:42:21

    第一話「仲間が、死んだ」
    http://www.ssnote.net/archives/10839

    前の作品から続いています。
    注意してください。



    注意書きは第一話をご覧くださいませ。

  2. 2 : : 2014/02/23(日) 22:48:23



    穏やかな昼下がり。

    事件は、起こった。





    ナイル「……どういうつもりだ、ファクタ」

    ファクタ「は?いきなり人の顔拝んだと思ったら、何?」

    ナイル「エルヴィンにあの話をしたのか?」


    ファクタ「あの話?」

    ナイル「えらく乗ってきたぞ。……調査兵団と憲兵団の闘いの話だ」




    ……ああ、彼もやってくれる。


  3. 3 : : 2014/02/23(日) 22:51:05




    ファクタ「お、やんの?100対0で調査兵団の勝ち!」

    ナイル「真面目にやれ!憲兵団の尊厳がかかってるんだぞ!」

    ファクタ「尊厳もくそもねえだろうよ~」



    ああ、欠伸が出る。



    ファクタ「格闘技でもやんの~?」

    ナイル「いや、どうやら木刀でのやり合いらしい」

    ファクタ「木刀?」



    それはまた意外な競技だ。

  4. 4 : : 2014/02/23(日) 22:53:09




    ナイル「どうする?参加するのか?」

    ファクタ「リヴァイが出るならするかな~?」

    ナイル「酒を飲むのをやめろ」

    ファクタ「うっせえな。どうでもいいだろ」


    “瓶”を机に置いた私は、ニヤリと笑う。



    ファクタ「ねえ、それって団体戦なわけ?」

    ナイル「まあ、一概にそうとは言えないが……」

    ファクタ「リヴァイが出るなら出てもいい」

    ナイル「……言ったな」

    ファクタ「憲兵団にも少しはそういうの得意なヤツいんでしょ~。ちゃんと集めといてくれよな~」



    リヴァイとやれるなら、もう何だっていいか。


  5. 5 : : 2014/02/23(日) 22:55:49




    リヴァイ「おい、エルヴィン」

    エルヴィン「ああ、リヴァイか」

    リヴァイ「あの話、受けたって本当か?」

    エルヴィン「あの話?」

    リヴァイ「どう考えても時間の無駄だろ」

    エルヴィン「ああ。……どうしてもお前とやり合いたいヤツがいてな。それに調査兵団と憲兵団の力の差が分かっていいんじゃないのか?」

    リヴァイ「そんなことしてる暇があるなら、壁外調査の作戦でも練る方が百倍もましだ」




    エルヴィン「まあ、そう言うな」

    リヴァイ「……ち」

    エルヴィン「久々に彼女ともやれるかもしれないんだ」

    リヴァイ「アイツ、出るのか?」

    エルヴィン「彼女が持ち出した話らしいぞ」

    リヴァイ「ち……、変わってねえな」


  6. 6 : : 2014/02/24(月) 00:42:54
    面白い!期待!
  7. 7 : : 2014/02/24(月) 21:24:05
    >>6 ありがとうございます!
    頑張りますよー!!


    エルヴィン「もう会ったのか?」

    リヴァイ「ああ、腐ってた」

    エルヴィン「………」

    リヴァイ「あと、変わってなかった」




    エルヴィン「そうか」

    リヴァイ「……変わらず、死にてえって顔してんな、アイツ」


  8. 8 : : 2014/02/24(月) 21:25:33




    ファクタ「♪~」

    上官「偉くご機嫌だな、ファクタ」

    ファクタ「おっさんが話しかけてんじゃねー」

    上官「中身は変わらずか」



    リヴァイとやれる。

    それを考えただけで、あの時の感覚が戻ってくる。




    ………ああ、懐かしい。

    何度、願ったことか。


  9. 9 : : 2014/02/24(月) 21:27:13




    ファクタ「私の命をあなたの背中に預けられたら……もう、それでいい(ボソ」




    何度、願ったことか。





    上官「何か言ったか?」

    ファクタ「さあな~?」


    そして今日も、大きな波の中でただ溺れる。


  10. 10 : : 2014/02/24(月) 21:29:25



    ナイル「ファクタ」

    ファクタ「あ?」

    ナイル「言っていた大会が今日あるんだが、出るのか?」

    ファクタ「リヴァイは~?」

    ナイル「対戦カードはついてからじゃないと分からないんだ。……ほら、行くぞ」



    何だ。


    これでリヴァイが出ていないと分かれば、無駄足もいいところだ。



    ………自分の生きている理由なんて、もうないのだから。


  11. 11 : : 2014/02/24(月) 21:33:03




    ファクタ「あー、だるいだるいだるい」

    ナイル「静かにしないか、ファクタ!」

    ファクタ「あー、帰りたい帰りたい帰りたい」



    新兵「おい、ファクタさんがいるぞ」

    新兵「何でだ?」



    私がいたらいけないのかってんだ。

    ……あー、うざいうざいうざい。




    リヴァイ「随分嫌われてんな、お前」

    ファクタ「……リッヴァイじゃーん!来てるってことは、出るってことぉ?やっばい、来た甲斐あったわー。」

    リヴァイ「まだお前とやれると決まったわけじゃないがな」

    ファクタ「心配しなくても、リヴァイとやれる人なんて憲兵団では私だけだよー。あー、楽しみだなー。楽しみすぎて死んじゃいそう。」

    リヴァイ「……お前がその言葉を吐くと冗談っぽく聞こえねえから、やめろ」

    ファクタ「………」


  12. 12 : : 2014/02/24(月) 21:34:17



    リヴァイ「………」

    ファクタ「………」


    だから、リヴァイは嫌いなんだ。




    ナイル「おい、行くぞ。ファクタ」

    ファクタ「へいへい。……じゃ、まったね~。リヴァイ」

    リヴァイ「………」



    私の心を見透かそうとするあの目が……この世で二番目に嫌いだ。


  13. 13 : : 2014/02/24(月) 21:37:50



    ナイル「あと10分で始まるぞ、ファクタ」

    ファクタ「時間には行くっつーの、うぜえな」

    ナイル「そう言って来た試しがないから言ってるんだろうが」

    ファクタ「はいはいはい、行くって」



    ナイルは溜息を吐いて私の元からようやくいなくなった。




    一人の時間が二番目に安心する。


  14. 14 : : 2014/02/24(月) 21:39:08



    でも一人の時間に考えてしまう。





    あの時の、ことを。





    ダリア『お前だけは生き延びてく』


    ダリアの、顔を。



    死んでしまった彼との……時間を・




    それだけが辛い。


    一日たりとも、あなたのことを忘れたことはありません。

    ……どうすれば、あなたから解放される?



    もう、苦しいんだ。


  15. 15 : : 2014/02/24(月) 21:40:29




    そう思った時、私は思いついたんだ。



    ……そうだ、死ねばいい。

    私も彼と同じように死ねばいいのだと。



    調査兵団にまだいた頃、彼が死んでも私はまだ戦っていた。

    巨人とずっと。




    でも、その時には既に目的が変わっていたのだ。

  16. 16 : : 2014/02/24(月) 21:42:08




    ダリアが生きていた頃は『巨人を絶滅させるため』


    ……でも、彼が死んだあとは、目的が変わった。






    『死ぬために戦っていた』



    無抵抗で死ぬのは嫌だったため、死にたいと思いながら戦っていた。


    早く、殺してくれとも考えていた。





    だからリヴァイにもあんなことを言われたのかもしれない。



    『死にたいのか!!!クソ野郎!!』


  17. 17 : : 2014/02/24(月) 21:43:21




    そうだよ、死にたかったんだよ。

    リヴァイに、邪魔された。




    なんて言ったら、彼は怒るだろうな。

    ……だから、団長様に追い出されたのだ。


    調査兵団から、憲兵団行きになったのは彼のせめてへの計らいなのだろうか?



    ああ、全くやってくれる。


  18. 18 : : 2014/02/24(月) 21:44:46




    ファクタ「死にたいね」


    でもエルヴィン様から『自殺だけはするな』ときつく言われている。



    ……だから、死ねない。


    だから、殺してほしい。



    ねえ、リヴァイ。

    あなたが早く私を殺してくれれば、手っ取り早いのにね。





    ファクタ「早く、死なせてよ」


    涙が、伝う。


▲一番上へ

編集パスワード

スレッド投稿時に設定した編集パスワードを入力してください。