この作品は執筆を終了しています。
ユミル「バームクーヘンの穴は」
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- 1 : 2014/02/18(火) 07:45:34 :
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昨日はユミルの誕生日〜、と言う訳でユミルメインの短編作品に挑戦します!
出来合いの作品なので至らない点は多々あるとは思いますが、どうかご覧頂ければ、!
読みにくさ、誤字脱字が多々あると思われますが、生温かい目で見てくださいね!w
以下過去作品へのリンク↓
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よければSS作家、読者支援のグループも作成しましたので興味がある方はどうぞ!↓
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制限付きSS執筆大会なんかもやろうとしています、二回目以降で参加してみたいなという方がいれば是非とも、!↓
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- 2 : 2014/02/18(火) 07:46:36 :
――― とある日の夜。
もう夕食の時間はとうに過ぎて、誰も彼もが疲れた身体を癒しに浴場へと足を運ぶ最中、
私はクリスタに連れられて食堂へとやってきた。
私も例外なく浴場へと向かうつもりだったのだが、
愛しのクリスタのお願いとあっちゃ断るわけにはいかない。
今日の姫様は一段と機嫌が良かったのか、鼻歌交じりで私の手を引いてくれた。
野郎共には見せないような、あどけないクリスタの様子を独り占めできる事に、私は優越感すら覚える。
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- 3 : 2014/02/18(火) 08:00:50 :
だが、まだまだそれだけじゃあ終わらないようだ。
食堂へ着くや否や、クリスタがパタパタと調理場へと走っていく。
途中でこけそうになるのを見て、らしいなと鼻で笑ってやった。
クリスタは恥ずかしそうにこっちをチラリと伺うと、それを振り払うかのように調理場の奥へ消えていった。
――― 何かご馳走でも用意してくれたのだろうか?
でも単にそれだけだったら、あの優しいクリスタの事だ。
サシャあたりも呼んで分けてやるに違いない筈だ。
けれどもそうしないのには何か他に理由があるのだろうか?
・・・
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- 4 : 2014/02/18(火) 08:09:29 :
しばし思考を巡らせる。
――― そうか。そういえば今日は、
クリスタ「ユミル!誕生日おめでとう!」
やっぱそうか、覚えててくれたんだな。
調理場から戻ったクリスタの腕には、様々な焼き菓子が入ったバスケットが抱えられていた。
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- 5 : 2014/02/18(火) 08:18:22 :
――― フッ。
思わず笑みが零れる。
私はいつものように、
ユミル「あぁ、ありがとうよ!愛しのクリスタ〜!」
などとおどけて見せながら感謝の言葉を告げる。
それにつられてクリスタも笑う。
その笑顔も私にとっては十分なプレゼントさ、クリスタ。
けれど、姫様は直ぐいつものように、
クリスタ「ゴメンねー?ホントはもっとオシャレな物とか、豪華なご飯を用意してあげたかったんだけど・・・」
と、謝罪の言葉を向けてくる。
・・・まったく、どうしてお前が謝る必要があるんだ。
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- 6 : 2014/02/18(火) 10:04:12 :
ユミル「おいおいクリスタ。祝ってもらってるのにその上謝罪させようなんてほど悪人じゃないぞ、私は?」
その言葉に、皮肉めいた自虐で返してしまう。
クリスタ「あ、うん、そうだね!ゴメンね?」アセアセ
ユミル「ったく、ホラ・・・」
――― また謝った。ヤレヤレ
「あっ。」と、一言漏らすと、クリスタは申し訳なさそうに俯いた。
別にそこまで落ち込まんでもいいだろとは思うのだが。
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- 7 : 2014/02/18(火) 10:11:48 :
- ゆきさんのSSきた!!とても面白いので!期待!!
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- 8 : 2014/02/18(火) 10:15:38 :
- 期待っ
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- 9 : 2014/02/18(火) 12:06:14 :
――― しばしの沈黙。
こういう雰囲気はあまり得意じゃない。
私は流れを変えるべく、強引にクリスタから菓子を奪うと、その中の一つを頬張り、
ユミル「うんめー!!さすがは私のクリスタだ!いいセンスしてるな!」ハハッ
などと大袈裟に喜んでみせる。
そしてそのまま強引にクリスタにも菓子を差し出す。
ユミル「ホラ、こんな量一人じゃ食い切れないだろ?お前も食えよな!」ニカッ
クリスタ「え?あ、うん!」
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- 11 : 2014/02/18(火) 12:14:23 :
最初こそおどおどとしていたクリスタだったが、一口菓子を頬張るとみるみる内に笑顔に変わっていく。
クリスタ「美味しいね、ユミル!」
ユミル「ああ、美味いな」ニカッ
嬉しそうに菓子を食べるクリスタを見ながら、私も一つ、また一つと菓子を口へと運んで行く。
二人で内緒で菓子を食べてたなんて、サシャが知ったら大騒ぎしそうだな。ハハッ
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- 12 : 2014/02/18(火) 12:26:55 :
二人でもくもくと食べていると、ふとバームクーヘンの切れ端が目に止まった。
クリスタ「あ、バームクーヘンだ!私好きなんだよね、バームクーヘン!」
ユミル「へぇ、そうなのか。まぁ私も好きだけどよ」
クリスタ「ユミルもなんだ!一緒だねー♪」
そう言って、目眩が起きそうな程の眩しい笑みをこちらに向けるクリスタ。
・・・天使は、間違いなくここにいる。
クリスタ「ユ、ユミル?!大丈夫??」
一瞬フラリとしたせいか、クリスタが心配そうにこちらを見つめる。
なんとか堪えて、
ユミル「あ、ああ!大丈夫だ!」ハハッ
と、一言返す。
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- 13 : 2014/02/18(火) 12:35:12 :
相も変わらずクリスタは心配そうな顔を向けるが、頭を優しく撫でてやると安心したようにはにかんだ。
そして二人でバームクーヘンの切れ端をさらに切り分け、お互いに口へと運ぶ。
口の中に柔らかな甘みが広がっていく。
――― 美味い。
ユミル「・・・なぁクリスタ」
バームクーヘンを飲み込んだ後、私は唐突に話を切り出した。
クリスタ「なぁに?ユミル?」
未だ口の中に残っているバームクーヘンをもぐもぐと頬張りながらクリスタが聞き返す。
クリスタの返事を受けて、私は続ける。
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- 14 : 2014/02/18(火) 12:42:19 :
ユミル「お前は、『バームクーヘン』って言ったらどんなもんを思い浮かべる?」
クリスタ「うーん・・・」
小首をかしげながら少し考えた後、クリスタは答える。
クリスタ「輪型の甘い焼き菓子、みたいな感じかな?そうでしょ?」
ユミル「あぁ、そうだな。」
ユミル「大体は丸く輪の形か、今私達が食べたものみたいにそれを小分けにしたものか、ってところだろうな。」
当たり前の事を口にする。
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- 15 : 2014/02/18(火) 13:17:36 :
- ふたりの和気あいあいとした様子が目に浮かびますね(´◡͐`)❤︎
ユミルはっぴーばーすでー!
続きも楽しみにしております☻
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- 16 : 2014/02/18(火) 14:48:05 :
ユミル「じゃあよ。」
ユミル「味や匂いがバームクーヘンみたいなもんでも、もしも真ん中に穴っぽこの空いてないやつを目の前にした時、お前はそれを『バームクーヘン』だって言えるか?」
クリスタ「それは、うーん?」
ユミル「まぁ、それを『バームクーヘンだ!』とは自信を持って言い難いよな」ケラケラ
クリスタ「確かにそうかも、!」ウンウン
クリスタ「・・・でも、なんで急にそんな話を?」
不思議そうな顔でこちらを見つめるクリスタ。
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- 17 : 2014/02/18(火) 14:49:39 :
- >>15 マリンさん
ユミクリコンビ好きなんですよね、いかにも凸凹な感じでw
コメントありがとうございます!
仕事終わりまでに完結しそうですw
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- 18 : 2014/02/18(火) 14:57:59 :
ユミル「つまりよ、私が言いたいのはな。」
ユミル「この穴っぽこが、ただの【空白】なのか【意味のあるもの】なのか、って話だ。」
クリスタ「??」
よく分からないって顔をしてるな・・・ヤレヤレ
ユミル「さっきこの部分がもしなかったら、って話をしただろ?」
クリスタ「うん!」
ユミル「そしたら、多分こいつを『バームクーヘンだ!』と言う奴はいないんじゃないか?・・・って思うんだよ、私は。」
ユミル「要はこの穴っぽこは、一見ただの【空白】で何も無い欠落した部分かのように見えるけど、」
ユミル「こいつがバームクーヘンであると誰しもに理解される為には無くてはならない、【意味のあるもの】なんだよ。」
クリスタ「なるほど・・・」
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- 19 : 2014/02/18(火) 17:04:20 :
ユミル「――― で。何が言いたいのかって言うと・・・」
私は少し気恥ずかしさを紛らわすようにポリポリと頬を掻きながらクリスタから目を逸らす。
ユミル「お前も自分に何かが足りないって思ってても、何か大きな穴っぽこが心の中にあっても。」
ユミル「――― それはクリスタなんじゃないか?・・・って思うんだよ、私は。」
クリスタ「ユミル・・・」
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- 20 : 2014/02/18(火) 19:40:22 :
ユミル「それに、そういうのってお前に限らず誰しもが持ってたり、思ってたりすると思うし。勿論、私だってそうだ。」
ユミル「私も、お前も、一緒なんだよ。」
ユミル「だから、自分に劣等感を感じてたとしても、何かが欠落しちまってたとしても。」
ユミル「自分は自分だって。それでいいんだって・・・」
ユミル「そう胸張って生きて欲しいんだよ。特にお前にはな・・・」
ユミル「・・・いいな?」
慣れない事はするもんじゃないな。ハハッ
自分がクリスタに伝えた言葉を思い返して、また気恥ずかしさが込み上げてくる。
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- 21 : 2014/02/18(火) 19:43:58 :
けど、そんな恥ずかしい気持ちは、クリスタの一言で全て吹き飛んでいった。
クリスタ「ユミル、ありがと!大好きだよ」ニコ
顔を逸らしたままチラリとクリスタの方を見る。
満足そうな彼女の笑顔にフッと笑顔を漏らして、私はまだ残っているバームクーヘンの端を頬張った。
〜おわり〜
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- 22 : 2014/02/18(火) 19:46:12 :
- 超短編な作品になりました、読んでくれた方がいたら有難い限りです^^
このSSを読んで『藍坊主』の某曲を思い出した人がいたら、その人とはきっと趣味が合いそうです、w
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- 23 : 2014/02/18(火) 21:50:09 :
- ユミルお誕生日おめでとう!!
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- 24 : 2014/02/18(火) 23:01:05 :
- お疲れ様です!!
とってもおもしろかった(*´∀⊂)
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- 25 : 2014/02/18(火) 23:45:13 :
- なんかすげぇ心にグッときた。
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- 26 : 2014/02/18(火) 23:47:30 :
- わかる…グッときますよね!
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- 27 : 2014/02/19(水) 00:16:17 :
かっこいい。。。
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- 28 : 2014/02/19(水) 01:41:23 :
- お疲れ様でした☻
短編のメリットであるさくさく読める話でありながら、長編を読んだ後のような満足感のある作品だなあと感じました。
そしてクリスタの笑顔は無敵ですね…(鼻血ふきふき)
藍坊主の某曲…ハローグッバイ、ですね?
まさかそんなところでもお話が合いそうだなんて、びっくりです。笑
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- 29 : 2014/02/19(水) 02:15:34 :
- すげー良い作品です!見入ってしまった…(笑
バームクーヘンの穴。これは良い例えですね!こういうの大好きです!(笑
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- 30 : 2014/02/19(水) 12:27:07 :
- ユミルの誕生日ということで、短編をゆきさんが投稿してらっしゃるのは分かっていましたが、ゆっくり読もうと思っている内に終わってました(つД`)ノ
でも、やっぱりゆっくり読んで良かったです!
短編でありながら、起承転結がきちんとしていて、クリスタとユミルの仲の良さもとても伝わりました!
白眉なのは、バームクーヘンを例に二人の関係を述べるところ。
こういう形で表現できるのは素晴らしいですね!また一つ勉強させていただきました。
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- 31 : 2014/02/19(水) 20:56:17 :
- >>23 深刻なベルアニ好きさん
一緒にお祝いしましょう!ヽ(*`ェ´*)ノ
>>24 ユミルさん
お疲れ様ありがとうございます!
まさか本人様直々にご挨拶くれるとは!w
>>25 土下座ミンさん
>>26 EreAniさん
思い付きでつらつらと書いたのですが、そのように言って頂けると嬉しいですよー♪(∩´∀`)∩
これからもそんな風に感じてもらえるような作品を書いていけるよう頑張ります!
>>27さん
ありがとうございます!
お恥ずかしい限りですよ〜(๑>◡<๑)
>>28 マリンさん
ひゃー、そんなに褒めて頂けるなんて!いつもながらありがとうございます!><
まさか分かってくれるお方がいるなんて思わなかったのですが、さすがはマリンさんですね♪
ふとその曲を思い出したのでネタとして使わせて頂きました!
>>29 馬鹿な変態紳士~カケル~
賞賛のお言葉、ありがとうございます♪
比喩表現といいますか、何かに例えて物事を伝えるのって凄く好きなんですよね(∩´∀`)∩
>>30 シュウさん
会社の休憩時間でささっと書いたものなのですぐに終わっちゃいました!w
起承転結、しっかりできていましたでしょうか?短編だったので不安なもので、!(汗)
こういう表現はクリスタに一番似合うかなぁなんて考えて書いていたので、読み手の方にもそのように受け取って頂けるのが何よりも嬉しいですね♪
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